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元祖ボルドー「グラーヴ」地区のつくり手たちの肖像

平均6代目の老舗銘醸地にはさまざまな家族のかたちがあった

Vieux Château Gaubert

ヴュー・シャトー・ゴベール

行動はパワフル、振舞いは静かなドミニク。

シャトー再建数8!

腕前はビフォー・アフターの匠ばり

「8つのシャトーを所有しているが、健全な状態のシャトーは一度も買ったことがない」

ドミニク・アヴェルランはそう豪語する。彼にとって、シャトー再建に至るまでの過程こそがクリエイティブで楽しい。

ヴュー・シャトー・ゴベールも、当初は建物の石組みが崩れ、藪に埋もれた状態だった。現在、大工仕事をこなせるドミニクがほぼ自力で補修を進める。

ワインを造る父の姿に憧れ、15歳にしてワインの世界に進むことを決心したドミニク。ワイン造りだけでなく、ボルドー委員会で財務や販売促進部門を統率する経験も積んだ。

所有シャトーには哲学者モンテスキューが住んだシャトー・ド・ラ・ブレード(後述)も含まれるが、「どのシャトーにも歴史あり」と、すべてのシャトーに対し名称や建築様式は大きく変更しない方向だ。

ゆくゆくは、23歳の息子が後を継ぐ。ニュージーランドで修業中の息子が帰国するころには、ドミニクがコツコツと進めてきたゴベールの大改修も終了しているだろう。

長期熟成の魅力を堪能できるグラヴェウム・ド・ゴベール(右)と、モンテスキューのシャトー・ド・ラ・ブレードのセカンド、レスプリ・ド・ラ・ブレード。

ゴベールの本館は16世紀と18世紀の建築様式が連なる。

幻想的なCh.ド・ラ・ブレードのスケッチ。

Château de la Brède

シャトー・ド・ラ・ブレード

森の中にたたずむシャトー。入場門には「我が家へようこそ」の文字が。

シャトー・ド・ラ・ブレードで産声を上げた、シャルル=ルイ・ド・モンテスキュー。哲学者ながら相続したブドウ畑の品質向上にも積極的だった、17ー18世紀の人物だ。池のような掘りに囲まれたシャトーは、期間限定で見学可能。場内には、彼が執筆活動にいそしんだ木製デスクやベッド、タンスがそのまま残されている。

今後、馬小屋部分がミュージアムへと改築予定。観光名所としてますます注目されること間違いなし。

爵位は男爵のモンテスキュー。著書『法の精神』で三権分立を唱えた。

この日の案内役は、モンテスキューの子孫であるワインショップ経営者。

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