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スペインの人気辛口白「ルエダワイン」を和のタパスと!

ルエダの伝道師マリオ・ムニョス・ブランコさんに検証してもらいました

いま、ヨーロッパの、とりわけ若者から注目されているベルデホ種の辛口白「D.O.ルエダ」は、和のタパス、ピンチョスと相性ピッタンコではないか? D.O.ルエダの伝道師に検証してもらった。

Señor Mario Muñoz Blanco 
マリオ・ムニョス・ブランコさん(D.O.ルエダ 輸出担当)

とにかくエンジョイ!

スペインのワインで今、輸出量が一番多いのは赤のリオハ。リオハに迫る2番目が白のD.O.ルエダだ。

D.O.ルエダはスペインの地場品種ベルデホ種主体でつくられている。リオハに比べると知名度は低いものの、スペイン国内での消費量はすでにダントツ1位(ちなみに、リオハの国内消費量は10%にも満たない)。スペイン人に愛され、近年は世界の人々にも愛されつつあるD.O.ルエダ。

どうして、こんなに人気が高まったのか? ルエダワイン普及のためにつくられた組織ルエダワイン委員会の輸出担当者マリオ・ムニョス・ブランコさんが来日したのを機に聞いてみた。

「まず、スペイン国内全体のワインの消費量自体は減少しているんです。ひとり当たり平均21リットルくらいにまで減っちゃって、危機感を覚えました」

ひとり当たり3リットルの日本から見れば十分多いように感じるけれど?

「フランスやイタリアに比べたら、まだまだ少ないほう。なので、若い人たちにもっと飲んでもらおうとアピールしています。『飲みたくなったら、ウンチクも必要なく、とにかくエンジョイ!』と」

ワインのことを勉強してないから、詳しくないから……としり込みする若者たちに、どんなシーンでも手軽に飲んでいいのがD.O.ルエダ、とSNSやテレビCMでシンプルに伝えてきた。

その甲斐あって、消費量はここのところ右肩上がり。もともとワインの生産国で、誰もがワインを身近に感じられる下地はあるし、ときならぬグルメ・ブームという追い風にも恵まれた。

D.O.ルエダは新しいワイン産地ではない。11世紀からベルデホ種主体で白ワインをつくり続けてきた、伝統の地。畑にはすなや小石が多く、気候も冷涼で、赤より白向きだといち早く気づいていたルエダ人はエライ!

さて、カスティーリャ・イ・レオン州ルエダの畑にほどちかい大都市、バリャドリッドではタパスとピンチョスのコンテストが随時開催される。街にひしめくバルがそれぞれ、力の入った独創的な1品をエントリー。エル・ブリに代表されるモダン・スパニッシュが花開き、天才シェフが各地で活躍するスペインのこと、コンテスト入賞のタパスとピンチョスはどれも捻りが効いている。バリャドリッドのバルに入ったらオリジナルの入賞作品をひとつ頼み、D.O.ルエダをグラスで頼んでグビッ。

「スペインでは外食の機会が増え、バルのはしごが若者の日常です。タパスとワインと、そこにいる人たちと会話を楽しむ。違うバルに移って、そこでもまたタパスとワインと、違う人たちと会話する。自然と友達が増えますね」とマリオさん。

さらに最近では、20歳前後の若者がSNSを通じて「ワインをバルで飲もう」というグループを自主的に結成する動きが拡大中という。スペインの若者たちは、バル巡りでリア充(!?)を目指しているのだ。

スペイン料理と和食は相通じるところがあります

ところで、バルに欠かせないタパスとは小皿料理のこと、ピンチョスとは串料理のことである、大筋。日本の居酒屋はまさにタパスとピンチョスの宝庫だ。

「居酒屋? 今までにも行ったことありますよ。レストランみたいに気取らず、気の合った仲間と飲める空間は居心地がいい」

居酒屋料理は、ルエダワインと合う?

「もちろん! タパス文化の定着したスペインですが、日本のタパスもひけをとりませんね。非常に考えられてつくられている。スペイン料理と和食は相通じるところがあります。手の込んだソースをふんだんに使うのでなく、食材そのものの風味を大切にする。ルエダワインも同じです。ブドウそのもの、育った畑の土壌、収穫年の特徴を直に味わってほしい。D.O.ルエダの主要品種であるベルデホは病気に強く、産地は乾燥気味。自然とピュアなワインが完成するんです」

スペインではどの飲食店にも置いてあるD.O.ルエダだが、さすがに日本では、スペイン料理店でないとオンリストされていない。

「私がもっと頑張らなきゃいけませんねぇ。日本はフランスワインを飲む人が多いと聞いています。D.O.ルエダを1回でも飲んでくれたら、好きになってくれる確率が高いと思っています。とにかくまずは1杯飲んでもらって、D.O.ルエダのリピーターを増やしたいです!」

ということで、ブランコさんを港区白金の割烹・小料理屋「かわばた」に誘い、和のタパス&ピンチョスとD.O.ルエダのペアリングをスペイン人の舌で判断していただくことにした。以下はそのマリアージュの実例とブランコさんの感想。

ミネラルたっぷりなベルデホ種あれこれ!

用意した5種類のD.O.ルエダ

1

軽やかでスタイリッシュ

Bodegas Felix Lorenzo Cachazo
Mania Rueda (Verdejo & Viura) 2016
品種:70%ベルデホ、30%ビウラ
価格:1,600円
輸入元:ユニオンリカーズ

2

シュールリーで旨み◎

Bodegas Verdeal
Verdeal 2016
品種:100%ベルデホ  
価格:2,400円
輸入元:カリテ・エ・プリ

3

卵型コンクリタンクで発酵

Bodegas Jose Pariente 
Jose Pariente Cuvee Especial 2014
品種:100%ベルデホ 
価格:9,000円
輸入元:グルメミートワールド

4

樽発酵で厚みと深みあり

Bodega Reina de Castilla, S.C.
Reina de Castilla Fermentado En Barrica 2016
品種:100%ベルデホ 
価格:2,800円
輸入元:パラジャパン

5

伝統的なシェリータイプ

Hijos De Alberto Gutiérrez
De Alberto Dorado
品種:100%ベルデホ 
価格:4,000円
輸入元:いろはわいん

実食

セロリのわさび醤油ひたし
【ブランコさんの判定】どんな野菜とも合うD.O.ルエダだけれど、とくにワインの持つ苦味とわさびのコンビネーションが気に入りました。スペイン人はわさびが苦手な人が多いけど、私は好き。
合わせたいD.O.ルエダ:12


イカの塩辛
【ブランコさんの判定】イカが新鮮で柚子が効いているので、比較的どのD.O.ルエダでも合う。ただ、樽発酵していない、軽めで、ひと口ごとに酸で洗い流すようなタイプのほうがいいかも。
合わせたいD.O.ルエダ: 1、そして

アンチョビ入りポテトサラダ
【ブランコさんの判定】どのD.O.ルエダでもOKだが、アンチョビの味が濃いので、ボディのしっかりとしたタイプ、とくにドラードがオススメ。黄身の残り香は、ドラードのアーモンド香と馴染む。
合わせたいD.O.ルエダ:3、そして5

チキン南蛮
【ブランコさんの判定】スペインではフライドチキンを酢漬けにしないので、これは初めての味。オーク樽の香りとはぶつかる傾向があるから、できれば樽を使っていないD.O.ルエダをチョイスして。
合わせたいD.O.ルエダ:12

焼き鳥モモ 
【ブランコさんの判定】ルエダ地方では乳飲み仔羊を食べるけれど、鶏のモモ肉はどこか仔羊と似ている。肉質が軟らかいので、コンクリタンク発酵など、クセの強すぎないD.O.ルエダを合わせたい。
合わせたいD.O.ルエダ:1、そして4

焼き鳥ハツ 
【ブランコさんの判定】ハツの味そのものが軽いので、基本的にどのD.O.ルエダとも合わないわけがない。あとは皆さんの好み次第。個人的にはコンクリタンク発酵のD.O.ルエダ(3)がピンときた。
合わせたいD.O.ルエダ:13

【協力していただいたお店】
ひとやすみ かわばた
住所 東京都港区白金1-25-32
営業時間 16:00~24:00(LO23:00)
不定休

【最後にひとこと】酒精強化でクセのあるドラード(5)までも、日本のタパスと合うとは正直想像していなかったなぁ。ーーマリオ・ムニョス・ブランコ

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