04 シャンパーニュ・バー ポンポンヌ
レコルタン・マニュピュランってやっぱりおもしろい!
個性豊かでおもしろいが、ゆえにRM(レコルタン・マニュピュラン。シャンパーニュの小規模メーカー)はむずかしい……。そう思っているなら、ぜひ「ポンポンヌ」へ!
シャンパーニュ教室を主宰する店主、増竹ゆかりさんはお客の希望のくみ取り方がきめ細かく、すべて委ねたくなる柔らかな包容力を持つ。
「クオリティを保証する、RMの安心マーク『スペシャルクラブ』を知っておくといいですよ」
スペシャルクラブとは地方の旧家出身の醸造家たちが立ち上げ、現在26のRMが加盟する組織のこと。ボトルにこの名を入れるには厳格な規定をクリアしなければならないことから、各造り手が渾身を込めているという。
もうひとつオマケで、「ドント・グルレ」の名前もあげた。ドサージュ量が少なく、ガス圧も弱めなのでブルゴーニュワイン好きにもオススメだそう。こちらは当主の代替わりにより、気鋭の若手として注目を集める。
「安定した実力を持つドメーヌだけでなく、自由な発想の元気な若手もどんどん登場していて、やっぱりRMっておもしろいな、と実感できますよ」
05 シャンパーニュ ・バー HACHI(ハチ)
代表的な村の、特徴がわかりやすいのから始めてみる
“シャンパーニュ・バー”にして“完全紹介制”の“会員制”。敷居が高そうなワードが並んでいるが、勇気を持って扉を開ければ笑顔のソムリエール、店主の近越安那さんが出迎えてくれる。叩けよ、されば開かん。
近越さんの第一提案は「ロゼの実力を再認識すること」。「シャルトーニュ・タイエ」は、NVでありながら60カ月以上の熟期間を設けた贅沢な1本。バラのような華やかな香りにほのかなスパイス感。合わせる料理の幅も広がる懐の深さを持ちながら、ロゼとしてはお手頃価格だ。
第二の提案は「ピノ・ノワールの底力にフォーカス」。「ドメーヌ・ガティノワ」は黒ブドウの聖地アイ村のしっかりした骨格や肉付きが実感できるアイテム。
「まずはむずかしく考えずに、代表的な村の、特徴がわかりやすい1本から始めてみると、だんだん違いがわかって、もっとシャンパーニュ引き込まれていきますよ」
06 カジュアル・シャンパンダイニング ル・クール
「ダミアン・ウーゴ」は料理の風味をいっそう広げてくれる
六本木ミッドタウン至近の、ノスタルジックな雰囲気を漂わせるビル2Fのビストロ。料理はガッツリ、肉あり魚あり、パスタ、パエリアもある。一皿がたっぷり2人分のポーションで、1,000円台後半が中心、というリーズナブルな一軒だ。
食事に合うことを重視する秋山和也シェフは生産者一択の「ダミアン・ウーゴ」推し。
「ブラン・ド・ブランもロゼも、しっかりした果実感とコクがある。これくらい味わいがふくよかだと、料理の風味をいっそう広げてくれて、通して1本で楽しめます」
シャンパーニュ=贅沢な嗜好品、という概念ではなく、ごはんが美味しくなるお酒として提案。白ワインや水の代わりにシャンパーニュを使用したり、煮込みの仕上げに米酢を加えて酸を立たせたりなどのアレンジも秀逸。
飲んで食べて、お勘定を終えて、トータルの満足感は、高級フランス料理店で味わうのとはまた別種。こんなビストロに出合ってしまったら、あとは通い倒すのみだ。