第2試合 ブランコ(白)
RAIMAT
Vol d’Ànima de Raimat Blanco
ひとこと by 菊池ソムリエ
酸がきめ細やかで、気品が感じられます。最初はレモンやグレープフルーツ、ライムの香りが。奥から白い花、白桃、ハーブ、白胡椒も上がってエキゾチックです。余韻にはアルバリーニョのミネラル感も。
小野 ライマットの白ワインは華やかな味わいでしたので、鮨に少し手を加えてみました。まずは、すずきの昆布〆。
菊池 最初にカヴァといただいたすずきも、昆布で〆るとこれだけ表情が加わるとは。すずき自体のうま味も引き出されます。
小野 そして、白ワインといったら、いか。普段いかは塩か醤油、山葵を使うくらいで柑橘は使わないんですけど、今日は柚子塩を加えました。白のトロピカルなニュアンスに合わせようと思いまして。
菊池 もちろん握り単体でおいしいですが、鮨に柚子を効かせて白ワインと合わせることで、相乗効果が生まれます。もし柚子が使われていなければ、もう少しドライなタイプの白がよさそうです。
小野 しまあじは、すずきより青魚の風味がありつつマイルドでしたでしょう?
菊池 はい、口当たりがなめらかでした。そして、白ワインは青魚まで幅広く合わせられることにビックリしました。
第3試合 ロゼ
RAIMAT
Vol d’Anima de Raimat Rose
ひとこと by 菊池ソムリエ
かわいらしいロゼ。色合いは淡くて親しみやすく、香りはラズベリー、いちご、オレンジピール、スパイスと続きます。収斂性は少々、洋梨や白桃に似た甘味が抜け、最後はベリーの酸と果実味が残ります。
菊池 幅広く合わせられる、といえばライマットのロゼもそうですね。
小野 意外とキリッとしたロゼだったので、くるまえびを。茹でたえびの甘味が映えますね。貝は、あわびにロゼを合わせるとあわびが勝ってしまいそうで、シンプルなタイプのたいら貝を選びました。
菊池 それは小野さんのおっしゃる通り。あわびが勝ってしまうのは、この軽やかなロゼを飲めばすぐ分かります。
小野 ロゼ向けの3種目は、あなご。一貫を半分に切って味付けを変化。ワインのストライクゾーンが広く、どちらも合うかと思いまして。塩かタレか、ひとつに決められなかったのもありますが(笑)。
菊池 味わいは異なるものの、結局どちらのあなごも共通して持っている炭焼きの香ばしさを、ロゼのタンニンが広げてくれるんです。だから、どちらもピッタリ!