日本の数多あるワイナリーのなかでも、「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー」は、施設、見学コースの内容、ホスピタリティまで最良といえるだろう。そこで、女優・田原可南子さんにワイナリー見学を体験してもらった。初体験ということで、興味津々にツアーはスタート。ガイドについてくれたのはMOG(メルシャン・おもてなし・ガイド)の一人、真杉茂央さん。さぁ、ツアーへGo!

モデル:田原可南子 ヘアメイク:胡桃澤和久(ThreePEACE)





1 地下セラー



こんなにたくさんのオーク樽、日本じゃ滅多に見られない!

一般的にアメリカかフランスのオークでつくるワイン樽。ブルゴーニュサイズ(228リットル)とボルドーサイズ(225リットル)があり、焼き加減、生産者、オークの産地などで、細かく特性が変わる。一般的にはアメリカンオークのほうが目が荒いため、酸素の通りがよく、また、ヴァニラのような香りがつきやすいとされている。

オーダーメイドで、フランス産であれば10万円から15万円の高級品。シャトー・メルシャンでは、各種の樽を合計2,000樽ほど山梨に持ち、このビジターセンター地下のセラーでは500樽程度が、常時18℃、湿度70~75%の環境でワインを熟成させている。

オーク樽は長くとも2〜3年で更新する。日本で、これだけ多数の樽を目にできる機会は、ここ以外、ほとんどない。





2 醸造所(プレミアムコースのみ)



ブドウからワインができる現場に潜入!

畑で収穫されたブドウは、低い温度で管理されたまま、醸造施設に運ばれる。そして、2段階の選果、除梗、搾汁といった作業が行われる。

屋外のラインは作業が行われている時期は、直接、そして天井のカメラで作業を見学でき、それ以外の時期はVTRにて説明を受ける。果汁は酸化しないように気をつけながらセラーに運ばれ、Aセラーでは、産地、品種、区画などにあわせてステンレスか木の様々なサイズのタンクへ。



Bセラーには、温度管理された巨大なステンレスタンクが並び、安定した醸造を実現している。これだけ大規模なワインの醸造所は数少ない。





3 祝村ヴィンヤード



20種類のワイン用ブドウに触れてみよう

ビジターセンターから少し移動してワインギャラリー裏手の祝村ヴィンヤードへ。垣根仕立て(ギュイヨ)で、フランス、日本のみならず、イタリアやスペイン系の品種まで、実に20種類ほどのブドウが育てられている。見学用の畑とはいえ、本物の畑。害虫の発生を知るために、バラが植えられていたりもする。

また、畑のすぐそばには、樹皮がコルクになるカルクガシの木が植えられている。

ひっそりと古い小さな祠がある。明治初期、ブドウの代表的な病害「ベト病」から日本のブドウを救ったボルドー液(硫酸銅と消石灰を混合した伝統的な殺菌剤)に感謝して建立されたボルドウ神社である。

ワインとの良縁に恵まれるようにお参りしておこう。





4 ワインギャラリー



お土産用、自分用に。お昼ごはんもこちらへ

シャトー・メルシャンで造られたワインが販売されているショップ、ワインに合う軽食が楽しめるカフェがあるのが、ここ、ワインギャラリー。ショップでは、ここでしか手に入らないワインもあり! 

カフェでは、シャトー・メルシャンの各種ワインが30mlと100mlの2サイズでオーダーできるだけでなく、お得な試飲のセットメニューも! 

ツアーの目玉となるテイスティングもこちらで行われます。





5 テイスティング



全部飲むと酔っ払っちゃうかも

ツアーを締めくくるテイスティング。スタンダードコースでは、欧州系品種に日本の品種をアッサンブラージュ(フランス語でブレンドの意味)することに注目し「シャトー・メルシャン アンサンブル」シリーズを3種試飲できる。



プレミアムコースでは、甲州品種から柑橘系の香りを引き出したエポックメイキングな「甲州きいろ香」や赤ワイン同様に果皮も一緒に発酵させた「甲州グリ・ド・グリ」、山梨県韮崎市穂坂地区で育ったマスカット・ベーリーAを樽熟成した「保坂マスカット・ベーリーA」、そしてシャトー・メルシャンの、日本ワインの頂点のひとつ、長野県上田市丸子地区の「椀子ヴィンヤード」から「マリコ・ヴィンヤード メルロー」と、シャトー・メルシャンのワイン造りが遺憾なく発揮されたワインが6種類試飲できる。





MOG(メルシャン・おもてなし・ガイド)

MOGはワイン醸造や営業のキャリアを積んだ5名のメンバーからなる。全員がエノログ(ワイン醸造技術管理士)、シニアソムリエ、ソムリエなどのワイン関連資格を持つ。「MOG(メルシャンおもてなしガイド:Mercian O・mo・te・na・shi Guides)」はプロ集団なのだ。

今回、田原可南子さんが参加したワイナリーツアーは2018年6月に刷新されたもので、平日の10:30〜11:30(土日祝は13:00〜14:00)までのスタンダードコース(定員10名、参加費1,000円)と、土日祝14:00〜15:30までのプレミアムコース(定員6名、参加費3,000円)の2コースが設定されている。

監修はなんと、マスター・オブ・ワインの称号をもつ大橋健一氏。そして、ツアーで案内役となるのが、ワインの醸造やソムリエなど、その道のプロで構成される「MOG」こと「メルシャンおもてなしガイド」。シャトー・メルシャンに限らず、ワインのことなら栽培から醸造まで、大体知っているMOGにどんどん質問して、ツアーを存分に楽しんでください!

また、隣接して1904年に建てられた現存する日本最古の木造ワイン醸造所がシャトー・メルシャンワイン資料館(9:30~16:30 入場無料)として一般公開されている。日本ワイン誕生・変遷の軌跡と功績を知ることが出来るので、ぜひ訪れてほしい。





シャトー・メルシャンのツアーに参加すれば、

ワイン講座に通ったも同然だ!

日本のワイナリーの約1割30社が集中する勝沼町で、ワインの質とその背景から、その中核と自他ともに認めるのがシャトー・メルシャン。

日本ワインの歴史も含め、シャトー・メルシャンを訪ねれば日本ワインのもろもろがわかってしまう。そう、メルシャンを訪ねればワンスクールの基本講座に、ツアーに参加すれば日本ワインの連続講座に通ったも同然だ。もちろんワインの試飲も楽しめる。

隣接する資料館は、現存する最古の木造のワイン醸造所で、創業時からの醸造機材やワインが展示されている。明治時代の造り方を説明したパネルも展示され、初期のワイン造りがいかに人力に頼る作業だったかがわかる。

小さなブドウ畑「祝村ヴィンヤード」もある。欧米ではスタンダードなギユイヨ式仕立ての垣根畑で20種ものワイン専用種が植わっている。畝の端に品種名を記した石が埋められているのでお気に入りの品種を探してみよう。

シャトー・メルシャンではこの畑を含め自社畑の剪定作業などをするボランティアを時折、WEBで募集する。興味のある方はメルシャンのホームページのチェックを。

時間がない場合もワインギャラリーだけは訪ねよう。有料だが、海外のコンクールで受賞したワインや少ないと1樽分(約300本)しか造らないギャラリー限定販売の少量生産ワインなど約20種が試飲できる。リストには受賞や限定の印がついているので確認してからオーダーしよう。スタッフは経験豊富、試飲ワインに迷ったら好みの味を伝えると、これという1本を選んでくれる。

カフェも併設。季節の野菜をたっぷり使ったランチ・プレートなどに試飲して気に入ったワインをグラスでオーダー、ペアリングを楽しもう。

  実際にワインを造る醸造棟は坂を下った日川沿いにあり、ここを見学できるのは有料ツアーの参加者だけ。試飲も含まれ、有料試飲やワイン本体の価格からすると実にお得でスペシャルな経験のできるツアーだ。勝沼訪問を決めたら、まずはメルシャンのホームページでツアーの参加申し込みをしよう。





シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー



山梨県甲州市勝沼町下岩崎1425-1
tel.0553-44-1011(※受付9:30~16:30 ※ワイナリー定休日を除く)
WEB予約ページ:www.chateaumercian.com
※定休日 火曜日および年末年始(※火曜日が祝日の場合は営業)
※ワイナリーツアーの申込みなど詳細はWEB参照

[問い合わせ先]メルシャン tel.0120-676-757

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
「なんでこんなにうまいんだ!」


「フランスやイタリアの真似をして、たんにコピーをつくったところで尊敬は得られない。自然とどう関わるか」


「ワインも生きている。ブドウも土も、どれも」


「大事なのはひとの問題なんです」


「マニフィーク」



日本のワイン界のレジェンド、麻井宇介と彼の意志を継いだ若者たちの物語
10月20日公開 映画「ウスケボーイズ」より