小樽に隣接する、人口2万人の町、余市と、3500人の町、仁木。ワイン産業での町おこしを行なっている、小さなこのふたつの町の魅力を、酒屋さんの3代目と、去年札幌から引っ越してきたイタリアンのシェフを通して紹介する。

これから北海道の時代が来る



創業1927年「中根酒店」の3代目 中根賢志さん

北海道余市町は、仁木町同様に果樹の産地として知られている。ワイン用ブドウの栽培農家は50軒近くあり、2011年に北海道で初めての“ワイン特区”となってからは、小規模ワイナリーが一気に増加。その数、今年3月の時点で10軒、今後、開業が決まっているワイナリーも数カ所ある。

そんなワインの町・余市町で、1927年(昭和2年)から営業している、「中根酒店」の中根賢志さんに話を聞いた。

「私で3代目となりますが、もちろん最初からワインを販売していたわけではありません。実は祖父がその頃盛んだった、ニシン漁で一発当てようと佐渡島から余市に来たのですが、その目論見は外れ、とりあえず酒屋を始めたのです。

その後、ニッカ余市蒸留所もできてウヰスキーをはじめ、全ての酒類を販売していました。今のように、余市町産のブドウが原料のワインに特化して販売するようになったのはここ10年ほど。ワインは自分自身が好きでソムリエの資格も取得していたのですが、とある試飲会で飲んだ『宝水ワイナリー』(岩見沢市)のケルナーがものすごく美味しかった。そのブドウが余市町産だったのです」

その時代の余市は、ワイナリー自体は「余市ワイナリー」1軒しかなかったが、生産農家は多数あり、そのブドウを使用して作るワインが道内外にあった。

「『宝水ワイナリー』のケルナーをきっかけに、余市町のブドウを使用したワインを独自に調べ始めました。どれも本当においしくて、余市のブドウってすごいんだ! と、改めて思い始めたのです。

そんな中、2008年に曽我貴彦さん(「ドメーヌ・タカヒコ」)が余市に移住してきました。曽我さんの影響力は大きかったと思います。

その後、余市町がワイン特区になり、数年ごとにワイナリーが出来、今や10軒にもなったわけですが、正直10年前はこれほどまでになるとは思ってもみませんでした。ただ、曽我さんのお兄さん(長野「小布施ワイナリー」の曽我彰彦さん)が、『これから北海道の時代が来る!』と言っていたことは覚えています」

中根酒店
北海道余市郡余市町大川町3-76 tel.0135-22-231

こうして現在、余市町産のブドウを使用したワインを専門に扱う、全国の中でも稀有な酒屋となった。  

中根さんは、自分でオリジナルのワイナリー&ヴィンヤード・マップも制作。来店する客にそのマップを使って、説明することもあるそう。

「気がつけば、いまや日本ワイン・ブーム、そして北海道はこれからの可能性を含めて注目されています。最近ワイナリーを開業する方々は、みなさん、高学歴なんですよね。これからリリースされるワインがどんな仕上がりになるのか……ずっと余市を見てきた者として、今後が本当に楽しみです」





この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
我輩は「WINE-WHAT!?」である。名前は「WINE-WHAT!?」である。誰がつけたかとんと見当がつかぬ。

ワインホワット?

「WINE-WHAT!?」である。にゃ〜。