2015年、ニセコにオープンした「坐忘林」 は外国人ゲストも多いハイエンド旅館。「キタカイセキ」と名づけられた料理は地元の食材にこだわった正統派。北海道ワインとのペアリングでどうぞ!

ニセコの原生林の中に佇むグレーの建物は「坐忘林」のレセプション棟。わずか15室の独立した客室の窓から見えるのは敷地内の森と村営の牧場だけ。



道産ワインのペアリングが楽しめるハイエンド・リョカン

北海道ワインの国内評価はすでに高いが、インバウンド観光客の評価はどうだろう?

親日家のイギリス人オーナーが思い描く「最高の旅館」をコンセプトに2015年、ニセコに開業した「坐忘林」で聞いてみた。こちらは外国人ゲストが多く、「キタカイセキ」と名づけた瀬野嘉寛料理長の懐石料理とワインを楽しんいるという。  

開業1年後に入った関根支配人によると、「北海道ワインの扱いはゼロ」だった。食材は99%北海道産で「道産ワインは、食材に寄りそうミネラル感と程よいアロマで食材とのバランスが良い」と少しずつリストに加えてきた。

「外国人ゲストも北海道ワインに興味津々です。先日NIKI Hillsのケルナー『はつゆき』を飲まれたワイン通の外国人ゲストがボトルを高評価とともにインスタグラムにアップ、その後、『はつゆき』をオーダーする外国のゲストが続きました」。

まだ銘柄を指定できるゲストは少なく、「スタッフが知識を深めて、薦められようでなければと勉強中です」。

白では溌剌とした酸味とピュアな味わいをもつケルナーが人気。

「10R(トアール)の『上幌ワイン 余市ピノ・ノワール』をリストオンすると、すぐに海外のワイン通がオーダーされ、『パヒューミーで日本の料理にはパーフェクトに合う』と評価いただきました。赤はピノ・ノワールの人気が高いですが、北海道のテロワールが感じられるツヴァイゲルトレーベもお薦めです」

一方、首都圏からの日本人客は道産ワインの貴重性を理解している客も多く、どんな北海道のワインが飲めるのか事前に問い合わせてくる方もいるという。  

「冬のジビエはスタッフの一人がプロの猟師で、シェフの無謀な要求に合わせて小鹿などを仕留めてきます。春になるとパートのおじいちゃまが森へ入り、何種類もの山菜を摘んできます。出所のわかる食材だけを使います。今後も道内のワイナリーは確実に増えますが、食材同様、畑やワイナリーを訪ねて、背景を確認したうえで提供するようにしたいですね」と関根さん。

「坐忘林」は北海道の食材とワインのペアリングを楽しめるハイエンドのザ・リョカンだ。



全15室はすべて内風呂と露天風呂付。
坐忘林 北海道虻田郡 倶知安町花園76-4 
tel.0136-23-0003 宿泊費:二人一部屋一名75,000円〜

キタカイセキと北海道ワインのペアリング

キタカイセキとは、プレゼンはフユージョン風だが味わいは正統派懐石。ニューヨークで和食に目覚めた北海道出身の瀬野嘉寛料理長が、素材第一に作る。





坐忘林で人気の白ワイン3種、余市産のケルナー、NIKI Hillsの「HATSUYUKI」と同「はつゆき」、平川ワイナリーのソーヴィニヨン・ブラン主体の「ソリチュード」。奥は、千歳ワイナリーのピノ・ノワールと北海道ワインのツヴァイゲルトレーベ。





山菜の清流浸しは春から夏のキタカイセキを代表する一皿、従業員が山野で摘んだ山草を一種ずつ茹でだしに3時間ほどだしに浸した。平川ワイナリーの「ソリチュード」が野草の個々の特徴を引き立てる。





キンキの香煎煮、脂ののったキンキを蒸し煮してキンキの骨と炒り米でとった出汁をかける。ケルナーでキンキの濃厚な旨みを強調するか。ツヴァイゲルトレーベで脂を抑え繊細さを引き出すか、ワインの好みの分かれるところ。





ピノ・ノワールの果実味と和牛の旨みが引き立てあい。根セロリのきんぴらとワインの土っぽさは呼応しあう。

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
「なんでこんなにうまいんだ!」


「フランスやイタリアの真似をして、たんにコピーをつくったところで尊敬は得られない。自然とどう関わるか」


「ワインも生きている。ブドウも土も、どれも」


「大事なのはひとの問題なんです」


「マニフィーク」



日本のワイン界のレジェンド、麻井宇介と彼の意志を継いだ若者たちの物語
10月20日公開 映画「ウスケボーイズ」より