東京 恵比寿の恵比寿ガーデンプレイスタワー39階にあるシドニー発タイ料理レストラン「Longrain TOKYO」。このLongrain TOKYOを舞台に、ジョージアのワイナリー「ヴァジアニ・カンパニー」のメーカーズディナーが開催された。出されたワインはいわゆるオレンジワイン、あるいは、アンバーワイン。しかしそのイメージを覆すほどにスッキリと飲みやすいワインだった。スパイシーなタイ料理とも相性抜群。
ヴァジアニ・ワイナリーのジョージ・ポツルベラシェン氏

ヴァジアニ(VAZIANI)社のセールス&マーケティングマネージャー ジョージ・ポツルペラシェン(Giorgi Potskhverashvili)氏。名字の発音については筆者、何度聞いてもうまくカタカナで表記できそうもありませんでした。

このクリーンで飲みやすい白ワインはアンバーワインのイメージを変えてくれるかもしれない

ジョージアのワイン造りの歴史は8000年前に遡るとされ、世界最古のワイン造りの地だ、とされている。土着品種は525種類もあるとされ、クヴェヴリという一種の土器を、土中に埋めて、その中でワインを造る手法が、UNESCOの無形文化遺産に認定されてもいる。

この度、東京の恵比寿ガーデンプレイスタワー39階にあるシドニー発タイ料理レストラン「Longrain TOKYO」でも4月から注文できるようになる「ヴァジアニ・カンパニー」も、このクヴェヴリをつかった土着品種のワインを造るワイナリーのひとつ。そのクヴェヴリでつくるワインのシリーズの名はワイナリーのあるカヘティ地区のかつての貴族の名字にちなんで「マカシヴィリ」といって、ヴァジアニ・カンパニーは、このマカシヴィリ家の子孫が設立した会社なのだけれど、年間生産量はわずかに6万本と希少。それが日本で飲めるというだけでも驚きなのだけれど、クリーンな味わいにも、驚かされた。

ヴァジアニ・ワイナリーのワイン

こちらが、ヴァジアニ・カンパニーのワインたち。輸入するのはモトックスさんです

クヴェヴリを使ったワイン造りは、白ワインでも赤ワインでも果汁を絞ってクヴェヴリにいれたあと果皮、種、場合によっては茎を入れて発酵させる。赤ワインは一般的に、その後、果皮や種などは取り除いて熟成させるけれど、白ワインは、このまま6カ月ほど熟成させるため、皮の色などがワインについて、色がオレンジ、あるいは琥珀色になる。そこから、白ワインのなかでも、オレンジワインとかアンバーワインという愛称で呼ばれる。

アンバーワインを造るにあたって、クヴェヴリの使用は必須条件ではなく、赤ワインのように果皮に接触したことに由来するタンニンのある白ワインはアンバーワインと呼ばれるけれど、クヴェヴリのワインはときに、そもそもリッチな白ワインであるところにきて、海藻をおもわせるような独特に濃厚な香りがあり、初体験だと、ちょっとびっくりすることもある、とおもう。

ところが、ヴァジアニの「マカシヴィリ」シリーズは、そんな心配無用。成り立ちを聞かずに飲んだら、どこかヨーロッパの冷涼な地域で、あまりメジャーではない品種で造った、ちょっと樽香が香るワインかな、と感じるようにおもう。そういう意味では、アンバーワイン入門にちょうどいいかもしれないし、アンバーワインはちょっと……などと敬遠する向きにはぜひ、どれか一本、お試しいただきたい。

今回、食事とともに楽しめたワインを順番に紹介すると、まず、「ルカツィテリ」という白ブドウ品種100%のワインがウェルカムの一杯。ちなみに以降も含めて商品名は、ブドウ品種の名前の前に、マカシヴィリ・ワイン・セラーとつき、商品名に表記されるブドウの品種100%で造られたワインとなる。

「ルカツィテリ」は若干の苦味があり、酸味のスッキリとした軽やかなワイン。少しワインがあたたまるとスモーキーな後味が出てくるのが面白い。

続く「キシィ」からフードペアリングが始まるのだけれど、独特の甘みのある香りがあって、より落ち着いた酸味をともなう苦味がある。テイスティングノートには生姜のようなスパイシーさ、と書かれているのだけれど、納得。春巻きのエビとの相性が抜群で。すーっと潮の香りがただようような、臭みのない、海のいい香りがするようだった。筆者これまでに「キシィ」のワインは飲んだことがあったけれど、こんなにすいすい飲めるものだとはおもっていなかった。

続いて「ムツヴァネ」。こちらは筆者、香りをかいで樽がきいているな、とおもった。でも樽なんて使っていない。口に含むと、口当たりはとろりとまろやかだけれど、スパイシーな辛味や苦味を感じさせる。ちょっとだけ、独特の香りがあって、これがアンバーワインらしいのだけれど、そのわずかな海藻っぽさがカニの風味とよく合った。

本文中で「春巻きのエビ」と言っている料理は「シーフード揚げ春巻き タイバジル グリーンナムジムソース」という名前です

「カニ」は、「ソフトシェルクラブ カレー炒め ホワイトセロリ」という料理名です

続いては赤ワイン。「サペラヴィ」。濃厚なルビー色。こちらもまた、樽だと勘違いするような香りがある。爽やかなタンニン、よだれがでてくるようなおいしい酸味。冷涼な地域のピノ・ノワールを、わずかに樽香をつけて仕上げたのかしら、などとおもったけれど、もちろん、さにあらず。クヴェヴリで造る。20%ほど梗を含み、果皮と種とともに発酵させ、2から3カ月ほどしたら、これらを取り除くことで、味を調整しているのだそうだ。お見事です。素晴らしい。

マカシヴィリ・ワイン・セラー サペラヴィ

サペラヴィは2016年ヴィンテージでこのように若々しくも深い色。アルコール度数は13から14%

ポークホック

料理は「ポークホック スパイシーキャラメリゼ チリビネガー」とのペアリング

最後がヒフヴィ。赤ワインの後に登場し、カレーとペアリングさせられるだけに、これはとても複雑だった。口当たりはソフトなのだけれど、タンニンを感じさせ、ちょっとユーカリみたいなすーとしたハーバルさがあり、酸味にはトマトみたいな美味しさがある。ライチやパイナップルをおもわせる、南国のフルーツの雰囲気もある。

longrain オリジナルカレー

Longrain オリジナル カレー 3種盛り合わせ
シーフード グリーンカレー ナス インゲン ベビーコーン
レッド ジャングルカレー グリルチキン
アロマティック イエローカレー 厚揚げ 茄子

以上、5種類のワインとLongrain TOKYOのスパイシーな料理とのペアリングだった。香りは食欲を掻き立て、ミネラル感というのだろうか、とろりとした口当たり、いがいがとしたところのない調和のとれた味わいで、飲みやすいワインなのだけれど、アルコール度数は13から14%としっかりとある。ついつい飲みすぎてしまわぬよう、ご注意あれ!

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WINE-WHAT!? 編集部
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