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オレンジワインと料理のペアリングが楽しめるトーキョーのレストラン(後編)

ぜひ飲みたい! ココのオレンジワイン

ワインに一家言もつトーキョーの料理店に、オレンジワインとピッタリのお料理を提案していただきました。オレンチの料理とオレンジワインを合わせるなら、このペアリングだ! その後編。前編はこちら

写真:山下亮一(4)/徳山喜行(5&6)

ぜひ飲みたい! ココのオレンジワイン 4

サッカパウ

ラ ビアンカーラ/サッサイア 2017
6,200円
イタリア、ヴェネト州の生産者が、ソアーヴェの使用品種として知られるガルガネーガから造るワイン。鉱物を思わせるようなしっかりとしたミネラル感に塩味を持つ。

ホタルイカと黒にんにくのタリオリーニ(9,000円のコースからの一品)

ホタルイカとオレンジワイン

2016年、「クリエイティブ・イタリアン」をコンセプトに掲げ、西麻布に誕生した「サッカパウ」。イタリア各地での料理修業を経て、ドイツ、ハンブルグで2店舗を出店するなど海外で豊富な経験を積んだ田淵拓さんがエグゼクティブシェフを務める店だ。

訪れてまず驚かされるのは、料理の迫力ある独特な美しさ。決してインスタ映え的な女子ウケ系のかわいさではなく、潔く大胆かつ男らしいビジュアルが特徴的である。

「えっ、これってイタリア料理なの? と驚かれるお客様も多いんですよ(笑)。確かに斬新だけれど、トラディショナルな料理の基礎がしっかりあり、そこにルーツを持たないアレンジは一切しないのがシェフの特徴です」

と話すのは、ソムリエの菅野浩和さん。続けて紹介してくれた料理は、「ホタルイカと黒にんにくのタリオリーニ」。のど越しの良いパスタに、ミキサーにかけたホタルイカのペーストと黒にんにくを絡ませた一品だ。仕上げには、炙ったホタルイカを添えている。炙ることで柔らかな食感よりも風味の凝縮感、さらに燻製のような香ばしさを立たせるという発想だ。

合わせたのは、イタリア、ヴェネト州の造り手「ラ ビアンカーラ」のオレンジワイン。その意図を聞くと

「うちの店は全7皿のコースが主体。実はパスタの後に、パスタリゾットと炭水化物が続くんです。骨格や主張はほしいけれど、赤ワインを当ててしまうと重い。そんなときオレンジなら、味わいの重さに偏らずに変化をつけることができるんです」

このアイテムは外せない!

さらに菅野さん、このアイテムには思い入れがあるという。

「以前勤めていた店時代から今まで、このアイテムは外せない! これだけ世界的にも高く評価されている存在になってなお、価格がフレンドリー。値上げもせずに実直にワイン造りに徹する、良心的な生産者なんではないかと(笑)。料理を立てる謙虚さもありながら、塩味を感じるほどの強靭なミネラルを持つ。旨じょっぱいとでも表現したいような味わいが、磯系の風味に抜群に合うんです」

ところで、ここまでお客への視覚・感覚への訴求力が強い料理も珍しいが、そういった店では、オレンジワインにどんな役割を期待しているのだろうか。

「赤・白・ロゼ以外にも選択肢があることをお客様に知っていただきたい。さらにコースを通してのペアリングの構成を考えれば、緩急をつけることが大事。ダイナミックな相乗効果を生む組み合わせも、連続すれば疲れてしまう。ほどよい“引き技”を挟むことで、抑揚が生まれます。でも、さわやかなだけでは印象にも残らない。その微妙なラインをくぐれるのは、やっぱりオレンジワインなんです」

オレンジワイン=個性派ぞろいという捉え方もあながち間違いではない。圧倒的な個性にはっとする経験もワインの醍醐味であり、そういうアイテムが大きく取り上げられる機会が多いからであるが、一側面に過ぎない。

「サッカパウ」でのケースを例にとれば、存在感を示しつつも一歩引くことができる。飛び道具的なインパクトを与えたり引き締めたり、下支え役に徹したり。陰にも日向にもなるこのふり幅の広さが、
オレンジワインの実力なのである。

ソムリエの菅野浩和さん

サッカパウ 
東京都港区西麻布1-12-4 
nishiazabu1124ビルB1
営業時間 
tel.03-6721-0935
18:00~翌3:00(1:00L.O.)
休日 日曜

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