ボジョレーワイン委員会の会長ドミニク・ピロンは、ボジョレーワインのプロモーションのため、10人のボジョレーワイン生産者と自慢のワインを引き連れて、5月の末に東京にやってきた。ヌーヴォーは11月21日解禁だというのに、随分と早い時期にいらっしゃいましたね……

ドミニク・ピロン氏。天井が低いのは、今回、会場が東京湾に浮かぶ船の上だったから!

ボジョレーはどこにあるのか?

日本では、ボジョレー・ヌーヴォーといえば、それは大変な知名度で、ワインファンを越えてまでワインが話題になるイベントといえば、ほとんどこれくらいなのではないだろうか。印象の話だけでは説得力が薄いのであれば、数字を出すと、ボジョレーワインのうち、ヌーヴォーとして造られるワインは現在約2500万本。うち500万本を日本が輸入しているという。フランスを別とすれば、最大の市場なのだ。ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は11月の第3木曜日だけれど、このタイミングにあわせて、これだけのワインが用意されるのだから、それは世の話題にもなろうというものではないだろうか。

かくして有名なボジョレーだけれど、そもそもこのボジョレーというワイン産地がどこにあるかご存知だろうか? ボジョレーは、ブルゴーニュの一番南のエリアであるマコネーよりも南、フランスではパリに次ぐ都市のリヨンよりも北。南北に約55km。東西には約15kmという細長い一帯だ。

そして、 そこには、クリュ・ボジョレーと呼ばれる、10の村名AOCがある。それが

サン・タムール (St. Amour)
シェナ (Chenas)
ジュリエナ (Julienas)
シルーブル (Chiroubles)
ブルイィ (Brouilly)
コート・ド・ブルイィ (Cote de Brouilly)
フルーリー (Fleurie)
ムーラン・ア・ヴァン (Moulin a Vent)
モルゴン (Morgon)
レニエ (Regnie)

の10AOC。このクリュ・ボジョレーというボジョレーの最上級ワインの魅力を、そろそろ、ボジョレー・ヌーヴォーだけではなくて、日本に知ってもらいたい、と、ボジョレーワイン委員会はいまおもっている。

ボジョレースタイル

そもそも、ボジョレーは、歴史あるワインの産地ではあるけれど、フランスで有名になったのは1930年代と結構最近の話。しかも、これはボジョレーだけに限らないとはいえ、数年後にあたる1939年から45年までは、第二次世界大戦だから、苦難の時代を経験した。1960年代から1970年代になって、ようやくボジョレーはあらためて世界に進出したのだけれど、このとき、ボジョレーは、ボジョレーでワインに関わる人々が一丸となって、世界中をまわりPRをして、成功した。おなじボジョレーで競合するのではなく、協力したのだ。この成功がボジョレーの自慢だ。

特に、ヌーヴォーの日本での成功は、牽引役となり、世界的にボジョレーの知名度があがったのだという。そこで今回も、ボジョレーは一丸となって、今度はヌーヴォーだけではないボジョレーのワインを世に知らしめようとしている。

「ボジョレーでワイン用に栽培されているブドウ品種はほとんどガメイ。9割ほどになります。しかしガメイから多様性に富んだワインを造ることができます。10年前からボジョレーでは地質調査をしています。この調査の結果、ボジョレーの土壌はまるでパッチワークのように多様だとわかっています。それがボジョレーの多様なワインに反映されているのです」

とは、このほど、10人のボジョレーワイン生産者と、その試飲向けワインとともに来日した、ボジョレーワイン委員会の会長、ドミニク・ピロン氏。ちなみに、ボジョレーでは、ガメイ以外では、シャルドネで白ワインも造っている。

「そんな多様なボジョレーのワインではありますが、基本的なスタイルは軽快です。いまは食のトレンドが、重たい料理ではないですよね。合わせるワインも濃厚な、樽香漂うワインの時代ではないです。つまりそれって、ボジョレーのワインです。現在の流行の原点はボジョレーにあり。”ボジョレースタイルのワイン”が世を席巻するいま、だったら、本物の”ボジョレーワイン”を選んだほうがいいのでは?」

ターゲットはボジョレー・ヌーヴォー最大の国外市場、日本だ!

そもそもヌーヴォーはボジョレーのワインの生産量のうちの3分の1でしかない。しかしヌーヴォーを橋頭堡として、ヌーヴォーだけではないボジョレーのワインを打ち出していこう、というのがボジョレーの戦略だ。

昨年は最大の消費地である地元、フランスで一大キャンペーンを展開した。であれば次は、第二の消費地、日本がターゲットだ。今年は、ボジョレー・ヌーヴォーイヴの11月20日、ボジョレー・ヌーヴォー解禁日の21日の二日間だけではなく、それに向けてすでに、様々な仕掛けが動き出している。

だからきっと、ワイン好きならば、今年はヌーヴォーだけじゃない、ボジョレーの話題を目にするはずだし、イマドキのワインとして、ボジョレーを発見してみるチャンスだ。将来的にはグラン・クリュやプルミエ・クリュといった格付けもしたいという。試飲用のワインを試したボジョレー初心者の筆者によれば、おなじ村名AOCであっても、生産者によってワインは個性が違うから、そんな可能性も十分にありうるのだとおもう。みなさんはどうおもうだろうか?

こちらが2019年のボジョレー・ヌーヴォーの広告イメージ。フランステイストです。解禁は11月21日(木曜日)

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
令和元年8月、餃子にはワインがトレンドです。

教えてくれてありがとう、ワインホワット !?

礼は、いらワイン。

なんです?

ワインは、いるワイン。