かのロバート・パーカーが“スペインのペトリュス”と表現したことで知られるぺスケラのテイスティング・セミナーが6月11日、東京・千代田区にあるキタノホテルにて開かれた。

www.familiafernandezrivera.com

これぞスペインのペトリュス

会の正式なタイトルは、「アレハンドロ・フェルナンデス テイスティング・セミナー」。アレハンドロ・フェルナンデスは「ぺスケラ」の創業者である。

ご本人が来日したわけではないけれど、このタイトルには創業者への尊敬が込められている、ということだろう。

冒頭のあいさつとして、輸入元のミレジムのアーネスト・シンガー社長が次のように語った。

「スペインはフランスよりはるかにワインの歴史は長くて、ローマ人がブドウを運んできて、スペインからフランスに運ばれた……。

ただいろんな経緯があって、19世紀から20世紀にかけて、スペインワインの安いワイン、バルクワインとか、混ぜるようなワインというイメージで、それがひとつの常識になっていた。その常識をひっくり返したのがぺスケーラです」

日本語では「ぺスケラ」と書くけれど、「ぺスケーラ」と表記するほうが発音に近い。でも、紛らわしいので、以下「ぺスケラ」に統一します。

「フランスと違って、スペインは南国なので日照時間が長くて、何もしなくてもブドウは熟成する。スペインは簡単にワインがつくれるというメリットがあった」

そういうなか、ぺスケラの創業者アレハンドロ・フェルナンデスは、アルコール分が高くて重たいだけのスペインワインではなくて、もっと酸の効いた上質なワインをつくりたいと考えた。1972年、リベラ・デル・ドゥエロのぺスケラ・デル・ドゥエロという町で理想的な土壌を見つけ、若い頃からの夢だったボデガ(ワイナリー)を40代で設立する。このボデガから生まれたワインをテイスティングしたロバート・パーカーが自著『ワイン・バイヤーズ・ガイド』第1版で絶賛、こう書いたという。

「これぞスペインのペトリュス」

真ん中が「テンプラニーリョの巨匠」アレハンドロの次女のオルガ・フェルナンデス(Olga Fernandez)さん。右がカルロス・ラバルガ(Carlos Labarga)さん。

テンプラニーリョ100パーセント

このひとことでぺスケラは一躍注目を浴び、スペイン自体「どこにも負けない、素晴らしいワインをつくっていることに」なった。これが1980年代のこと。

シンガー社長が続ける。

「今日(テイスティング・セミナーの出席者)は、レストランの方も多いと思うんですが、中国の影響で、フランスワインがものすごく高くなって、レストランでは飲めないような価格帯になってきています。

でも、お客さんに応えなくちゃならない。ニューワールドじゃなくて、伝統のやり方でつくっていて、お客さんが納得できる価格で提供できるワインを。そういうワインの代表的なものがぺスケラです」

そのぺスケラのテイスティング・セミナー。講師はぺスケラの創業者アレハンドロ・フェルナンデスの次女のオルガさんと、輸出マネージャーのカルロス・ラバルガさんがつとめた。オルガさんが主に父上から引き継いだワインづくりの哲学を、カルロスさんがテイスティングに供された7種類のワインの詳細を語った。

以下は、オルガさんのお話。

「父アレハンドロの夢は、スペインの土着品種、テンプラニーリョを育て、テンプラニーリョからワインをつくることで、その夢に家族全員が参加しました。そして、スペインで最初のモノバラエタル、テンプラニーリョ100%ワインを、ティント・ぺスケラのワイナリーでつくって出荷しました」

ティント・ぺスケラの最初の収穫は1975年。

最も重要なのは、100%テンプラニーリョでワインをつくったことである。

ふたつめは、ブドウを自然栽培したこと。化学的な物質は粉にした硫黄を散布しているだけ。自然発酵で、酵母は使っていない。

「もうひとつ重要なことは、3つめの特徴ともいえる品質と価格の関係です。ぺスケラは素晴らしい品質に見合った価格をつけて、提供しております」とオルガさんは誇らしげにスペイン語で歌うように語った。ま、記者にはチンプンカンプンながら。

ぺスケラには現在4つのワイナリーがある。最初が1972年創立のティント・ぺスケラで、前述のように1975年に最初の収穫があった。1983年にD.O.(原産地呼称ワイン)の認定をとり、「リベラ・デル・ドウェロ」というD.O.のラベルを貼っている。

『スペインワイン図鑑』(原書房)によると、1982年に誕生したD.O.リベラ・デル・ドウェロはイベリア半島の中央北部の太陽に恵まれた産地で、リオハに次ぐ売上第2位のD.O.に成長している。

ティント・ぺスケラはマドリッドから200kmほど北に位置する。tintoは、同じくスペイン語で「赤」、pesqueraとは同「釣り」の意で、ドゥエロ川のすぐ近くにあるぺスケラ・デ・ドゥエロという町の名前からとったとされる。

ティント・ぺスケラのブドウ畑。

コンダード・デ・アサのブドウ畑。

ふたつめのワイナリーが1987年設立のコンダード・デ・アサで、最初の収穫は1994年。ティント・ペスケラから40km北にある。D.O.は同じリベラ・デル・ドウェロである。

今回はこちらのふたつのワイナリーのアイテムだけだったので、残りのふたつは名前をあげただけだった。なので、ここでは省略する。

「4つのワイナリーに対して、私たちが持っている哲学は同じです。いかにいいブドウを栽培して、いかにいいワインをつくるか」それだけだと、オルガさん。

「今回、このふたつのワイナリーのワインを試飲していただくことで、同じ品種でも場所と土壌が異なることによってワインがいかに異なるかを理解していただけると思います」と語ったのはアジア地区セールス・マネージャーのカルロスさんである。いよいよテイスティング開始だ。

新しい世代のすばらしいアイディア

ふたたびオルガさんがマイクを持つ。

「ぺスケラのワインの原材料のブドウは、全て私たちのブドウ園で栽培されたものです。それによって、品質も保てます。

ぺスケラには、約250ヘクタールの土地があります。特徴は、一カ所にまとめて土地があるわけではなくて、いろんな場所で栽培している。同じ品種を、違う土壌でつくっているということです。高低差もあります。同じ時期に収穫するわけではございません。

2016 Tinto Pesquera MXI 
MXI (ローマ数字「1011」)は、標高900メートルの高地で収穫された最高のテンプラニーリョからつくられるフレッシュでフルーティなワインで、ティント・ペスケラで最も新しいキュヴェ。10・11はそれぞれ畑の番号を表す。ブラックベリーやラズベリーを思わせる赤果実と黒果実のフレッシュなアロマが香る。丸みのあるタンニンと非の打ちどころのない美しい酸がテンプラニーリョのフレッシュな果実味を引き立てる。 
産地:カスティーリャ・イ・レオン州(DOリベラ・デル・ドゥエロ)
品種:テンプラニーリョ100%
醸造:ミディアムトーストのアメリカンオークで14カ月熟成後、6カ月瓶内熟成
価格:5,500円

最初にテイスティングしていただく、『2016 ティント・ぺスケラ MXI(1011)』は、ふたつの新しい試みをしています。

私たちに新しい希望、すばらしいアイディアもたらしてくれるワインです。このワインには新しい世代、孫の世代の感覚でつくられています。

それだけではなく、『MXI』というのはぺスケラのなかでももっとも高い位置にある、若いブドウ園なのです」

18カ月の熟成が一般的なぺスケラのワインにあって、カルロスさんによれば、15〜16カ月にとどめている(資料やホームページには14カ月と書いてある)。

記者の個人的な印象をひとことでいうと、今回試飲した7種類のワインのなかで、最もフレッシュ感があった。つくり手の説明通り、樽の熟成が短くて、標高900メートルで栽培されたブドウを使っているからなのだろう。果実味はとても豊かな一方、軽やかでもあり、これ以外のぺスケラがバロックとかロマネスクだとすれば、これはそうとうモダンに感じられる。

「今回、とても皆様にお求めしやすい、若い消費者に飲んでいただけるような価格で提供しています。新しい市場を開拓していきたいと思います」とカルロスさん。

「料理は何にでも合わせていただけると思います。いいワインの入り口になるのではないかと思います」とオルガさん。

同じ品種で異なる気候と土壌の違い

2016 Tinto Pesquera Crianza
コンダード・デ・アサがカジュアルに楽しむ食前酒だとしたら、深みのある香りを持つペスケラは、メインディッシュと共に楽しむワイン。ブラックベリーやラズベリーのアロマが豊かに香り、スパイシーな香りが徐々に現れ、ヴァニラやリキュールの風味を帯びる。シルキーで円やかなタンニン。テンプラニーリョのフレッシュな果実味がスモーキーな樽香と溶け合い、ブラックベリーとリコリスのフルーティな後味がスパイシーな余韻を生む。
産地:カスティーリャ・イ・レオン州 (DOリベラ・デル・ドゥエロ)
品種:テンプラニーリョ100%
醸造:アメリカンオークで18カ月熟成後、6カ月瓶内熟成。無濾過で瓶詰。
価格:4,000円

次は『2016 ティント・ぺスケラ・クリアンサ』。「これぞスペインのペトリュス!」とロバート・パーカーに言わしめ、アレハンドロ・フェルナンデスの名を世界に知らしめたワインである。

いつものように18カ月間、アメリカの樽で熟成されている。フィルターはかけていない。2016年は通常通り、冬は寒く、乾燥し、辛いもので、夏は暑くて長かった。

収穫は9月から10月で、特徴は果実味が凝縮されて、「いわゆるぺスケラタイプのワインができた」とカルロスさん。

ものすごい果実味である。濃厚で強烈なアタックもある。タンニンはまろやかだけれど、スパイシーで、余韻も長い、と記者は感じた。

ちなみに、スペインの赤ワインの「クリアンサ」は「樽と瓶熟成を合わせた熟成期間は24カ月(うち6カ月は樽熟成)」、「レセルバ」の赤は「同36カ月(うち12カ月は樽熟成)、「グラン・レセルバ」の赤は「同60カ月(うち18カ月は樽熟成)」とされている(地域によって異なる場合がある)。

2015 Condado de Haza Crianza
「ワインづくりのダイヤモンド」とジャンシス・ロビンソンが評したリベラ・デル・ドゥエロでも高地に位置する畑は、可憐な赤果実のアロマを湛えたエレガントなスタイルのテンプラニーリョを生む。濃厚なバルサムと熟れた果実のアロマが飲み始めに香り、アメリカンオークのスパイシーな樽香が後に続く。果肉感あふれる肉付きのよい味わいで、整った酸がまろやかなタンニンを引き立てる。余韻が長く、仄かなリコリスの香りが後味に広がる。
産地:カスティーリャ・イ・レオン州(DOリベラ・デル・ドゥエロ)
品種:テンプラニーリョ100% 平均樹齢:25年
醸造:アメリカンオークで18カ月熟成後、最低6カ月瓶内熟成。無濾過で瓶詰。
価格:3,000円

続いて、『2015 コンダード・デ・アサ・クリアンサ』。

コンダード・デ・アサはティント・ぺスケラと40km離れているだけれど、土壌も違えば気候も違う。ぺスケラに較べて4℃ぐらい低いという。彼らの説明のよれば、ティント・ぺスケラは畑が散らばっているため、ブドウがいろんな土壌で育っている。対して、コンダード・デ・アサは、200ヘクタールが一カ所に凝縮されている。だから、土壌のバリエーションがそれほどない。

その結果というべきか、『ティント・ぺスケラ・クリアンサ』より若干エレガントな印象を受けた。『ティント・ぺスケラ・クリアンサ』では奔放に過ぎる、と感じるような方によいのではあるまいか。

2012 Condado de Haza Reserva Especial
コンダード・デ・アサで最高のテンプラニーリョだけを選りすぐってつくられたキュヴェで、2012年が初回ヴィンテージ。円熟した果実の濃厚なアロマに仄かな甘草の風味が香り、次第にアメリカンオーク由来のスパイシーな香りを帯びていく。熟れた果実の味わいに美しい酸と丸みのあるタンニンを湛えたジューシーで肉厚なワイン。まろやかなタンニンが次第に存在感を増し、バランスのとれた余韻の長い後味を生む。
産地:スペイン/カスティーリャ・イ・レオン州(DOリベラ・デル・ドゥエロ) 
品種:テンプラニーリョ100% 樹齢:25年
醸造:アメリカンオークで24カ月熟成、12カ月瓶内熟成。
価格:6,000円

4番目のワインからレセルバに昇格した。まずは『2012 コンダード・デ・アサ・レセルバ・エスペシアル』。

「これは特別なワインだと考えていただきたいと思います。

2012年は我われにとっても素晴らしい年でした。いくつかの賞もいただき、『ワインスペクテイター』で93ポイント、2012年のワインの『トップ100ワイン』の17位に選ばれ、『スペインで一番よいワイン』という評価をいただきました。

また、お求めやすい価格でもありました。私たちは、私どものワインに対して、正直にみなさまに提供しております。

ひとことでこのワインを表現するとしたら、『複雑さ』だと思います。7年間熟成されたワインですから、とても表情豊かで、生き生きとしております。テンプラニーリョの特徴の熟成した黒果実だけではなく、赤い果実味も感じられるようになっています。

樽の影響も過小評価はできません。樽香が果実味を損なうことなく支えています。とても余韻が長く、バランスのよい、素晴らしいワインができています」

とカルロスさん。問題がひとつあって、それは生産量が限られていること。「日本では提供させていただきますが、ほかの市場には出回らないかもしれない」という。



ティント・ぺスケラのクラシックタイプ3種

ここからはティント・ぺスケラのクラシックタイプのワインが3種、テイスティングに供された。

まずは、『2012 ティント・ぺスケラ・レセルバ』である。

2012 Condado de Haza Reserva Especial
コンダード・デ・アサで最高のテンプラニーリョだけを選りすぐってつくられたキュヴェで、2012年が初回ヴィンテージ。アメリカンオーク由来のスパイシーな熟成香と円熟した果実味を湛えた魅惑的で濃厚な味わいを持つ。熟れた果実の味わいに美しい酸と丸みのあるタンニンを湛えたジューシーで肉厚なワイン。まろやかなタンニンが次第に存在感を増し、バランスのとれた余韻の長い後味を生む。
産地:スペイン/カスティーリャ・イ・レオン州(DOリベラ・デル・ドゥエロ)
品種:テンプラニーリョ100% 樹齢:25年
醸造:アメリカンオークで24カ月熟成、12カ月瓶内熟成。
価格:6,000円

ひとつ前の『コンダード・デ・アサ』と同じ、特別な年だった2012年で、アメリカの『ワイン&スピリッツ』誌で高評価を得た。

『死ぬ前に飲んでおきたい40のワイン』という記事で、17番目に選出された、と誇らしげにカルロスさんはいった。

「アメリカへのワインの輸出は、われわれがスペインのパイオニア的存在で、それはロバート・パーカーさんのおかげだともいえます。

ぺスケラのワインは、スペインのワインとしては初めて、ロバート・パーカーさんにテイスティングしていただき、98という素晴らしいポイントをいただきました。

1985年のワインです。この記事でパーカーさんは、『それがスペインではたったの20ドルで買える』とも書いています。そのおかげで、市場でもとても評判がよく、素晴らしい売れ行きでした」

「98ポイントの高得点を取っておきながら、ぺスケラは値段を変えなかった、とパーカーさんはその後、語っています」とオルガさんがこれまた誇らしげに付け加えた。

7年の熟成によって、ティント・ぺスケラ・クリアンサの奔放な野性味がエレガントになっている。と記者も思った。

続いては、さらに熟成の進んだ『2009 ティント・ぺスケラ・グラン・レセルバ・ミレニアム』。

2009 Tinto Pesquera Grand Reserva Millenium
60年代~70年代にかけてヴィーニャ・アルタの畑に植樹された古樹から厳選して作られるプレミアム・キュヴェ。黒スグリ、ブラックベリー、森の果実のアロマがバランス良く香る。甘草やスパイスの風味が珈琲の香りと溶け合い、果実のアロマに彩りを添える。芳醇で贅沢なフルボディで、エレガントだけれど、堅牢なタンニンを備え、熟成力の高さをうかがわせる。フレンチオーク熟成の好例とも言えるヴェルヴェットのように口当たり滑らか。
産地:カスティーリャ・イ・レオン州(DOリベラ・デル・ドゥエロ)
品種:テンプラニーリョ100% 植樹:1960年代末-1970年代初期
醸造:フレンチオークで30カ月熟成。
価格:19,000円

こちらは前述のティント・ぺスケラのレセルバとは異なり、アメリカンオークではなくてフレンチオークで、24カ月ではなくて、30カ月熟成されている。

『ミレニアム』では、高地にあるブドウ園の、60〜70年代に植樹された古樹から厳選したブドウでつくられている。エレガントなアロマをもつこれは、1996年、2002年、2004年、2008年と、すばらしいブドウが収穫された年にしか醸造しない。

今年はグラン・レセルバとして市場に出している。

「複雑性があり、とてもエレガントで、芳醇なフルボディで、すばらしい味わいです」

記者は思わず、グラスに注がれたこれをグイッと飲み干した。おかわり! といいたいところだった。

2003 Tinto Pesquera Reserva Especial Mugnam
2003年の極上のブドウから造る限定版で、素晴らしく複雑で香り豊かなアロマに重量感のある濃厚な味わいを湛えた極めてクラシックなリベラ・デル・ドゥエロ。円熟した果実やフルーツ・リキュールのアロマにマリアビスケットやトースト香、スパイシーな樽香、仄かなミネラルやムスクのニュアンスがほんのりと広がる。素晴らしく複雑で洗練されたブーケ。豊潤で力強くもエレガントなスタイル。20年は熟成が効く。
産地:スペイン内陸部カスティーリャ・イ・レオン州(DOリベラ・デル・ドゥエロ)
品種:テンプラニーリョ100%
熟成:アメリカンオークの樽で24カ月樽熟成。
価格:28,000円

最後は、『2003 ティント・ぺスケラ・レセルバ・エスペシアル・マグナム』である。

2003年のワインづくりはとてもたいへんで、むずかしかった、とオルガさん。夏はとても暑くてひどく乾燥し、少し感慨するほどだった。

それでも、ブドウをメインに考え、ブドウが知らせる収穫の時期に合わせることで、すばらしいワインができたという。

以下はカルロスさんのテイスティング・コメント。

「クラシックタイプのワインで、かなり長い間熟成させた、非常に円熟したワインです。

色を見ていただきますと、煉瓦色、赤より茶色っぽい色が見られます。

アロマは芳醇で力強さが感じられます。

凝縮された豊かな樽香も、邪魔しているわけではない。熟成されている証拠です。

口に含むと酸味もあるが、まろやかな形でバランスが取れている。

とてもエレガントで、トーストされたような、あるいはキューバの葉巻のようなアロマも感じられます」

これまた記者の個人的印象をここに記せば、たいへんまろやかである。思わず飲み干し、こういいたかった。おかわり、ください!

品質と価格が見合っているワイン

これにてテイスティングは終了し、質疑応答となった。主にオルガさんが答えたけれど、最後の質問はカルロスさんが担当した。

Q. いつも楽しく売ってますし、楽しく飲んでます。安心と信頼を感じています。最近、グルーポ・ぺスケラのワインはエチケットを一新したと思いますが、何かきっかけがあったのでしょうか?

A. 新しいプロジェクトをやっておりまして、それによってラベルを変えました。今回の目玉商品は、若い世代の意見を取り入れたワイン(『ティント・ぺスケラ MXI』)です。

Q. それぞれのワインの新樽率を教えてください。

A. 2016年は全部新樽です。残りは、25パーセント、新樽に変えている。樽は4年しか使っていない。つねに循環して樽を変えている。新樽だけの特徴が出ないように使っている。新しい新樽の樽香が果実味を超えないようにしています。

Q. ロバート・パーカーも引退ということで、ワイン全体のトレンドも変わりつつあるように思います。新しいプロジェクトはそうしたことを感じてのことでしょうか?

A. われわれは企業として、つねに発展していかなければならない。それはワインの世界も同じ。ぺスケラの4つのワイナリーもつねに新しいものを取り入れて消費者のことを考えながら変わっていくことが重要だと思います。新しい世代も加わりますし。ただ、その変化も、ぺスケラのもともとの哲学を重要なものとしながらやっています。

A. 後半4つのレセルバの飲み頃はいつですか?

非常に長い期間熟成させておりますので、特にこの時期ということはございません。消費者の方のご都合もあると思います。ただ、もしいま飲むとしたら2003年。ほかのはもうちょっと寝かせておいて、あとあと楽しんでいただけると思います。1985年もの、1975年もののワインを飲んでらっしゃる方もいらっしゃいます。

Q. 初めてワインで感動したのがぺスケラで、披露宴でも使わせいただきました。その節はお世話になりました(笑)。話は変わりますが、新しい経営戦略はありますか?

A. とてもクラシックで長い歴史のある決め文句があります。「品質と価格が見合っているワイン」です。オールドワールドのワインで。それを決め文句にしていただければ、と思います。 われわれの品質のワインで、このような価格をつけているワインはない。われわれだけだと自負しております。

「ムーチョ・グラシアス、ドウモアリガト」とふたりが最後に締めくくって、テイスティング・セミナーは終了した。



今回のテイスティングに出てきた7種類。

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
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