イタリア北東部でつくられるスパーリングワイン、プロセッコの最高級DOCGをトーキョーで味わうのにおすすめのお店はどこ? イタリアンは除いています。ゆく夏を惜しみつつ、プロセッコにピッタリの庶民性と日常性と祝祭性を併せ持ったステキな料理店を一挙4軒ご紹介します。

オトナノイザカヤ中戸川

〜王道の1本を炙りシャコのお浸しと〜

オトナノイザカヤ中戸川
東京都渋谷区上原1-33-12 ちとせビル2F
tel.03-6416-8086
営業時間 17:30 ~24:00L.O./日~21:30L.O.
休日 月(祝の場合は翌火)

ニーノ・フランコ ルスティコ ヴァルドッビアデーネ プロセッコ スペリオーレDOCG ボトル 5,100円。

旬魚のお造りや肉じゃが、土鍋ごはんと一緒に、トリッパのトマト煮や手打ちパスタがメニューに並ぶ。

すべてアラカルトで定番、季節のおすすめ合わせて約50種。有名イタリア料理店で腕を振るってきた店主・中戸川弾さんが、ジャンルにとらわれず旬の旨いものをあれこれ食べたいという大人のわがままを叶えるべく、2013年に開いた居酒屋だ。

  当然、イタリアワインも充実のラインナップ。なかでも和食に合わせて薦めるのがプロセッコ専門の造り手、「ニーノ・フランコ」社のスタンダードキュヴェ「ルスティコ」だ。

「ほんのり甘いタイプ、ナチュラルな濁り系とプロセッコのトレンドも変遷を遂げているけれど、時代に流されず極辛口のスタイルを守っている生産者。余分な甘み、果実味を削ぎ落した味わいが、繊細で透明感のある和食と非常によく合います」と、ソムリエの伊禮達哉さん。

炙りシャコと焼き茄子のお浸しと合わせれば、淡い素材の風味と透明感のある出汁の味わいに寄り沿ってくれる。揚げ物とは鉄板の相性だが、稚鮎とヤングコーンの天ぷらと合わせれば、香ばしさに加え、ほろ苦さも甘みも受け止める懐の深さだ。

炙りシャコと焼き茄子のお浸し 950円。シャコと焼き茄子、それぞれの甘みをクリアで滋味深い出汁がつなぎ、甘酢みょうが、青柚子が清涼な香味を添える。

稚鮎、ヤングコーン、枝豆の天ぷら 1,600円。ポレンタに着想を得てヤングコーンを、枝豆はアクセントに黒胡椒を効かせている。

3年前、店の隣に系列店「キガルニワショク弾」を開くに当たり、和食の料理人、金子太一さんを迎えた。以来、和の一品の提案や素材使いにも、ますます磨きがかかったと評判。精度の高い和食と王道をいくプロセッコの相乗は、自由で奥の深い店の料理と酒の提案を体現している。

左から店主の中戸川さん、金子さん、伊禮さん。料理とサービスが一丸となって、精度の高いマリアージュを提案する。





29 Rôtie

〜クリーミーな泡がスパイシーさとぴたり〜

29 Rôtie
東京都豊島区南大塚1-23-8 はらだ荘1F
tel.03-6902-1294
営業時間 18:00~23:00L.O.
休日 火

シルヴァノ・フォラドール プロセッコ ヴァルドッビアデーネ スペリオーレブリュット・ナチュールDOCG ボトル5,000円。

さまざまなスタイルの店が誕生し、ここ数年でかなりアップデートされた感のある東京の“居酒屋”だが、「29ロティ」は、その先駆け。

切りたての生ハムとタンドールで焼く肉料理が主役で、酒はナチュラルワインと純米酒。前例のない店を8年前にオープンし、ワイン好きと日本酒好きの垣根を取り払って来た。

ワインも日本酒も選ぶ基準は同じで、「食中に向くこと」。結果、ワインはイタリア産が中心に。店主の江澤雅俊さんいわく「乾杯から通して楽しめ、料理を引き立てるプロセッコは、うちの店のお客様にも人気が高いんです」とのことだ。

なかでもビギナーにもワイン好きにもウケがいいと推すのが「シルヴァノ・フォラドール」の一本。

「シャンパーニュ的なニュアンスもあるブリュットナチュール。バランスが良く、和食やエスニックなどいろんな料理とマリアージュします」

例えばヨーグルトとスパイスで漬け込んだタンドリーチキンと合わせれば、クリーミーな泡がまろやかなスパイシーさとぴたり。ここ最近、肉に加えて力を入れているのが、発酵食品などを使ったマニアックなつまみ。アンチョビバターの居酒屋的解釈としてメニューに加えたへしこバターと合わせても、生臭くならず、濃厚な旨みを引き立てるのだとか。

繊細な和食とだけでなく、ややパンチのあるスパイス系つまみ、クセのある発酵系つまみともご一緒に、というわけ。プロセッコの奥深さを改めて確かめられる。

タンドリーチキン 1,200円。後味から鼻に抜ける穏やかなスパイシーさが、クリーミーな泡と引き立て合う。

世界一のへしこバター 1,200円。新潟「柿沼水産」のへしこを発酵バターと。旨みの層のあるプロセッコは発酵魚ともバターとも合う。

江澤さん。大塚の銘酒酒場「串駒」で修業し、2012年に開業。「日本酒の町」の印象が強い大塚にワイン好きを呼び込んでいる。





とり口

〜すっきりめの泡をイタリアンな焼鳥と〜

とり口
東京都品川区西五反田2-28-10
tel.03-6421-7254
営業時間 17:00~23:00(21:30最終入店)
休日 無

カーサ・コステ・ピアーネ プロセッ コDOCG シュールリー 2016 ボトル6,000円。大きめのワイングラスでふくよかな果実味を楽しませる。

つくねと手羽先は塩で、かしわはタレで。つくねは軟骨などを入れずふっくら仕上げる。香ばしい焼き目、タレの甘辛味にプロセッコの軽快な泡、果実味が重なる。

「焼鳥とワイン」の組み合わせはもはやスタンダードと言っていいが、ワインを扱う焼鳥店の中でも、ややイタリア色が強めなのがこちら。

厨房とサービスを合わせた全スタッフの内、半数がイタリア料理店での勤務経験がある。イタリア修業経験がある人もいる。つまみも、パルミジャーノやリコッタなどイタリア産チーズを使った一品あり、からすみを使った玉子料理あり、という具合。

日本酒酒場の繁盛店「それがし」の系列店。ゆえに日本酒も充実、ワインはイタリア産に限らず、フランス、ニューワールドと幅広く揃う。産地に関わらずフォーカスするのは、焼鳥と好相性のスパークリングワイン。シャンパーニュから日本の泡までボトルで8種が揃うなか、常時ラインナップするのが「カーサ・コステ・ピアーネ」のプロセッコ。

その立ち位置を、ソムリエの先崎大樹さんは、次のように説明する。

「シャンパーニュならピノ・ノワール主体と、リッチなラインナップのなか、すっきりめの泡をお好みのお客様におすすめする1本。澱引きをせず瓶詰めをする自然派の造り手で、軽快でありながら、果実感、旨みも十分。焼鳥やつまみと合わせることで、豊かな表情を見せてくれます」

焼き手は中目黒「鳥よし」出身の西口和樹さん。コースで8本の串が供されるが、「店の味を決める」と話すかしわ、つくねからスタートする辺りに、経験と自信がうかがえる。「焼鳥とワイン」を一歩進めて、「焼鳥とイタリア」を楽しめる一軒。

西口さん(左)と先崎さん。経験豊かな焼き手とイタリア料理店出身ソムリエで「焼鳥とワイン」の楽しさを伝える。

手前は水茄子と桃のヨーグルトマリネ。奥はジュンサイの冷製茶碗蒸し。焼鳥、料理はすべておまかせコース 5,800円の一例。





ワインバー葵

〜すこぶるドライな1本をチーズ料理と〜

ワインバー葵
東京都文京区関口1-18-9-2F
tel.03-6823-8246
営業時間 18:00~23:30L.O.
休日 日祝、第3月

ランティカ・クエルチャ コネリアーノ プロセッコ スペリオーレDOCGマティウ ブリュット 2017 ボトル4,900円。きりっと冷やして。

新目白通り沿いのマンションの2階。目立つ看板などが出ていないため、一瞬、通り過ぎてしまいそうになるが、地元の人々に愛されるワインバーである。

オーナーソムリエの小林喜孝さんがセレクトするワインは、日本ワインを中心に、フランス、イタリア、カリフォルニア産など約300アイテム。開業した2010年当時、まだまだ扱う店が少なかった日本ワインに光を当て、プロの視点で諸外国のワインと比較・提案しながら、丁寧に紹介を続けてきた。

進歩が目覚ましい日本ワイン、王道のフランス、個性派のイタリア……というカテゴリーの中で、スパークリングの定番として紹介するのが「ランティカ・クエルチャ」のプロセッコ「マティウ ブリュット」。

「チャーミングすぎるきらいがある最近のプロセッコの中で、香りは華やかながら味わいはすこぶるドライ。アペリティフから食中までお楽しみ頂ける一本です」

つまみは、チーズプロフェッショナルが選ぶ高品質なチーズと、月替わりのチーズ料理が推し。「マティウ ブリュット」と合わせるなら、マスカルポーネを使ったイチジクの白和えでフルーティーさを掛け合わせるもよし、トウモロコシのガレットでクリスピーさを相乗させてもよし。

ほかにもフレンチやエスニックベースのつまみからドライカレーやジェノヴェーゼうどんなどの食事までフードメニューも豊富。食前食後のバー使いはもちろん、ワインと食事をゆっくり楽しんでも満足できる。

月替わりのチーズ料理より、洋風白和え 700円。豆腐とマスカルポーネチーズに生クリームなどを加えたソースをイチジクにかけて、黒胡椒をアクセントに。

トウモロコシのガレット風 600円。旬のスイートコーンをペコリーノ・ロマーノなどのチーズでつなぎ、カリッと焼き上げた一品。

会員制のレストランでのサービスやインポーター勤務を経て開業した小林さん。毎月末、テーマを決めたイベントも開催。

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
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