21世紀に入るまで、シャンパーニュの中堅メゾンに過ぎなかったカナール・デュシェーヌを、年間生産量で10位にランクインさせた醸造家ローラン・フェドゥさんにインタビュー。

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ローラン・フェドゥ Laurent Fédou
パリで生物学を、ランスで醸造学を修めたのち、大手のシャンパーニュ・メゾンで研修。ボルドーで経験を積み、そこからなぜかアフリカのチャドへ渡って2年間、数学の教師となる。1985年に故郷の南仏へ戻ったタイミングでティエノ・グループの代表と出会い意気投合、ティエノで働くことに。当初はボルドー、南仏、シャンパーニュすべての醸造を総括していたが、2008年からはシャンパーニュに専念。2017年、フランスのシャンパーニュ専門誌が選ぶシェフ・ド・カーヴ大賞を受賞。

「シャンパーニュで決められたルールに沿って上質な飲み物を造るのが、シャンパーニュの本質。でも、ルールを変更すべきではない、とは言いません。ルールそのものを変えることでさらに品質を高められるなら、ぜひそうするべき。全世界で造られているスパークリングワインのなかで、シャンパーニュはトップで輝き続けてきました。トップを維持するためには、常にさらなる上を求めていかなければいけませんから」(ローラン・フェドゥ)

フランス国内の小売市場では第2位に

シャンパーニュにおける各メゾンの勢力図は、数年で劇的に変わることなんてまずありえない。とくに大手メゾンの場合、徹底したブランド構築、門外不出の製法技術など長年にわたって努力を重ね、他社が追いつこうにも真似しようにも、動きがとりづらいのだ。

そんな業界なのに、どでかい風穴をあけ、勢力図をガラリと変えてみせたのがカナール・デュシェーヌだ。

シャンパーニュの年間生産量で10位にランクイン。2003年の段階では220万本/年の生産量だったのが、現在は400万本/年にまで増加したためだ。と同時に、フランス国内の小売市場では、すでに年間売上2位を記録するほどの人気シャンパーニュである。

「え、フランスで第2位? 今までそこそこシャンパーニュ飲んできたけど、カナール・デュシェーヌって聞いたことない……」と自信をなくしかけた方々には、慰めの情報を。

日本での認知度がまだ低めなのは、ほぼすべてフランス国内で売られていた時代が長かったから。

とはいえ、今は生産量全体の3割が国外のシャンパーニュ・ファンに向けて販売され、全日空のビジネスクラスなど数社のエアラインで搭載されてきた実績もある。フランスだけでなく諸外国を頻繁に飛び回っている人にとっては、すでにお馴染みの銘柄である。

150年前、樽職人カナールと栽培農家の娘デュシェーヌの結婚を機に誕生した、カナール・デュシェーヌ。21世紀に入るまで、いわゆる中堅どころに位置する地味なメゾンに過ぎなかった。

大躍進の起爆剤となったのは、なんといってもローラン・フェドゥのシェフ・ド・カーヴ就任だ。カナール・デュシェーヌがフランス各地でワインを造るティエノ・グループの傘下に入ったのち、送り込まれた人物である。

さて、この男がかなりの曲者。根っからの研究家肌で、浮かんだアイデアはすべて試さないと気が済まない。「彼こそマッド・サイエンティスト」とマスコミに評され、「もう、そこまでやらんでください」とたびたび現場スタッフに泣かれるという当人曰く、「違うことをやったらもっといいワインができるかも、と探求するのが好き。9年前にはオーガニックに挑戦しました。当時はシャンパーニュで誰もオーガニックを信じてなかったけど。トライし、学んで、その経験を活かすの私の仕事だから」。

かたちになった彼のアイデアのひとつが、マシン「ジェッティング」である。ボトルごとにガス圧をチェックしつつ、わざと泡で空間を満たしたまま密閉させる仕組みだ。ボトル内の残存空気を極力排除して酸化を抑え、 酸化防止剤も削減。品質が安定して「カナール・デュシェーヌは常においしい」 と消費者の信頼が高まり、その結果がフランス第2位。

ローランのひらめき、飽くなき創意工夫がひとつのメゾンをスターダムに押し上げたのだった。



Canard-Duchêne

Cuvée V extra Brut 2010

カナール デュシェーヌ
キュヴェ V エクストラ ブリュット 2010

2018年に創立150周年を迎えたことを記念する、スペシャル・キュヴェ。本来は難しい収穫年であったはずの2010年だが、例外的にすばらしいブドウを獲得したことから、記念ワイン造りに挑むことをローランが決断。リリース時に飲み頃を迎えるよう熟成を計算して仕上げられた。Vは、創業者のひとりであるヴィクトル・カナールのイニシャル、またヴィンテージ、ヴィクトリーの頭文字とも解釈。
「造りについては、完全にゼロの状態から自由に構築できました。マーケティング担当者から『ブラン・ド・ブランに』『いや、ブラン・ド・ノワールで』などと言われたりもしたけれど、それは無視して(笑)、ピノ・ノワール60%、シャルドネ30%、ピノ・ムニエ10%に。自分が心の底から飲みたいと思えるものを造りました」(ローラン・フェドゥ)
マグナムボトル 30,000円

Canard-Duchêne

millésime 2012

カナール デュシェーヌ
ミレジメ 2012

2012年は最良年のひとつ。過去に発表したミレジメ物の2008年はシャルドネとピノ・ノワールの比率がともに40%であったが、2012年の場合、ピノ・ノワール比率を46%にまで上げて主体品種に据えた。結果、「よりカナール・デュシェーヌらしい」リッチで奥深いフィネスを表現。デゴルジュマンは全量を一気に行わず、蔵出しのタイミングに合わせ分割して実施する細やかさも見せる。タンク貯蔵中のリザーブワインは、できるかぎり密封状態を保ち酸化を防いできた。
「だから2012年物は、7年経ってもフレッシュでしょう。と同時に、ブドウの持つポテンシャルのおかげで余韻も長く、和食によく合うはずです。洗練された和食には、私たちのシャンパーニュと共通するフィネスが感じられますから」(ローラン・フェドゥ)
8,000円



TOKUOKA WINE & GOURMET GYALLERY GINZA

カナール・デュシェーヌがグラス1杯目500円で!

「トクオカ ワイン & グルメ ギャラリー銀座」は、カナール・デュシェーヌの輸入元、株式会社徳岡が銀座にオープンして3年になるアンテナショップだ。ワインはもちろんのことチーズやハムなど食材も豊富にそろっている。場所も東急プラザ銀座という好立地。待ち合わせに、アプリティーボに、食事の後の一休みに、使い勝手も貴方次第。

今回紹介した「カナール・デュシェーヌ」が1杯目は500円(2杯目からは800円)で提供されている。

高級ワインが32種類もグラス売りで飲めるので、これまたオススメだ。

店内で販売されているワインは500円プラスしたら店内でそのまま楽しめる。ワインに、チーズやハムも買って、お家で楽しむもよし。店内のバールームでおつまみを注文して飲むのもよし。

トクオカ ワイン & グルメ ギャラリー銀座
東京都中央区銀座五丁目2番1号 東急プラザ銀座地下2F
tel.03-6264-5491
営業時間 11:00~23:00(22:30LO)
休日 元旦 不定休

チーズの盛り合わせ(リクエストを聞いてもらえる) 1,380円
左上からウンブレアッコ、右上ブルードボジョレー、左下ブリー、下中ミモレット、右下モリテル/タルトゥフォ。

生ハムとサラミの盛り合わせ 980円
左からパルマハム、ナポリサラミ、コットタルトゥフォ。

ブッラータ 1,380円
数量限定で販売されている幻のチーズ。

店長・中里覚さん
商品に迷ったときは気軽に相談してください!

「カナール・デュシェーヌ」 1杯目500円