年末年始、シャンパーニュをいただく機会も多かろうと思われます。そこで、ソムリエの紫貴あき、ワインジャーナリストの柳 忠之の2人が大手シャンパーニュ・メゾンのスタンダードなNVブリュット30本を一挙試飲、各メゾンのキャラクターを明らかにします。

テイスティング:紫貴あき/柳 忠之
構成・文:山本真紀
写真:唐澤光也(RED POINT)

メゾンごとの個性を確認しましょう

 パーティの機会が増えるこの季節、場を華やかにするシャンパーニュの出番も増えていきます。そこで今日は、大手シャンパーニュ・メゾンの基本である、スタンダードなブリュットをまとめて比較試飲。メゾンごとの個性をひとつひとつ確認しましょう。

紫貴 大手メゾンのノン・ヴィンテージは、シャンパーニュのなかで比較的手に取りやすい。ですが、こうして並べて一斉に試飲するチャンスはなかなかないものです。

 だからこそ、どのシャンパーニュなら自分の好みにフィットするのか? 選ぶ目安がほしいですよね。各シャンパーニュごとに、どのようなパーティ・フードが合うのかも提案してみましょうよ。

紫貴 では、ペアリングのアイデアは、パーティ総菜を中心に。

 全部で30アイテムありますので、タイプごとに大きくグループ分けして試飲を進行します。最初はシャルドネ主体の6アイテムをまとめて試飲です。

シャルドネ主体の6アイテム

紫貴 パーティの乾杯向きなのが、華やかな「ドゥラモット」(01)。料理と合わせず、シャンパーニュだけで最初にいただいてもいい。シャルドネ主体の、まさに典型。

 これくらいキリッとしていると、眠い人でも目が覚める(笑)。

紫貴 同じシャルドネ主体でも、「アンリオ」(02)はあきらかにキャラが異なってきます。こちらはバランスがよくて飲みやすい。

 わりとスパイシーですね。10年以上前はピノ・ムニエを使っていなかったのが、近年は5%入れているとか。さて、「ティエノ」(03)になると、今度は泡がやさしい。

紫貴 夏のブラン・ド・ブラン特集で試飲をしたときも、ティエノは泡がやさしかったのを覚えています。

 ロットごとにガス圧をチェックしているはずなので、意図的にガス圧を低くしているのかも。

紫貴 「シャルドネ主体はフレッシュ」というイメージをガラリと変えるのが、「アヤラ」(04)。熟成感がありますね。

 ならば「テタンジェ」(05)も熟成感があるかと思いきや、こちらは意外とフレッシュ。

紫貴 「ニコラ・フィアット」と同じくフレッシュ系で、パーティで最初の乾杯に使えますね。いっぽう「ローラン・ペリエ」(06)は食事と合わせるのが前提のシャンパーニュです。シャンパーニュ入門者は、この酸が強いと感じてしまうかも。玄人に飲んでいただきたい。

 この6本で、これぞシャルドネ主体といったブリュットを選ぶなら(01)(02)(05)。意外性を求めるなら(03)(04)(06)。



01 シャンパーニュ・ドゥラモット

ドゥラモット ブリュット NV

紫貴 シャルドネの名産地で知られるコート・デ・ブラン地区のグラン・クリュのひとつ、ル・メニル=シュル=オジェ村にあるメゾンなので、やはりシャルドネが主軸。酸を基調とする味わいはフレッシュでデリケート。

 ミネラル感があるので、合わせたいのはクセが強く味の濃いムール貝のほか、生牡蠣。

おすすめ:ムール貝 

品種構成:シャルドネ55%、ピノ・ノワール35%、ムニエ15%
輸入元:ラック・コーポレーション
希望小売価格:6,000円



02 アンリオ

ブリュットス-ヴェラン NV

紫貴 最初はすいかずらのイメージ。しばらくするとスパイシーでスモーキーになるのは、リザーブワインの影響か。

 ピノ・ノワールの名産地、ランスに拠点をかまえながらもシャルドネに力を入れているメゾン。豊かな酸には塩気のある生ハムが合うし、香ばしさに合わせるなら、薫香のあるもの同士でスモークサーモンを。

おすすめ:スモークサーモン

品種構成:シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ムニエ5%
輸入元:ファインズ
参考価格:6,900円



03 シャンパーニュ ティエノ

ブリュット NV

紫貴 シャルドネ主体のフライト6本のなかで、ブリオッシュや発酵バターの香りが一番強く感じられ、ふくらみのあるスタイル。チーズは基本的に何でも合うだが、やや熟成の進んだ白カビのチーズがとくにオススメ。

 チーズはクラッカーにのせて食べたい。ガス圧によるものなのか、泡がやさしくクリーミーな舌触り。

おすすめ:チーズ

品種構成:シャルドネ45%、ピノ・ノワール35%、ムニエ20%
輸入元:グッドリブ
希望小売価格:6,500円



04 シャンパーニュ アヤラ

ブリュット・マジュール NV

紫貴 エレガントなシャルドネらしさの奥には、ほのかな熟成のニュアンスあり。

 ボランジェと同じグループ企業であるアヤラは、ピノ・ノワールのメッカであるアイ村のメゾン。シャンピニオン系の香りを放つところが玄人好み。ヨード感があるのでムール貝もイケるが、コンテなどハード系チーズも合わせたくなる。

おすすめ:ムール貝

品種構成:シャルドネ40%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ20% 
輸入元:アルカン
希望小売価格:6,500円



05 テタンジェ

テタンジェ ブリュット レゼルブ NV

紫貴 エールフランスに搭乗した際、ウェルカムシャンパーニュとしていただいたのが、このテタンジェ。華やかでフレッシュなので、やはりパーティでもウェルカムシャンパーニュにふさわしいと再確認。サーモンのマリネやフレッシュタイプの山羊チーズと。

 白い花が香り、味わいの中心に酸がある。とても上品。

おすすめ:チーズ

品種構成:シャルドネ40%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ25%
輸入元:サッポ ロビール
希望小売価格:6,700円



06 ローラン・ペリエ

ローラン・ペリエ ウルトラ ブリュット NV

紫貴 ヌーヴェル・キュイジーヌに合うよう開発されたとのストーリーがあるだけに、料理と合わせてこそ魅力が放たれるシャンパーニュでは。ブリオッシュ、パンドミーが香りつつ、伸びやかな酸が際立つ。

 ノン・ドサージュで6年熟成。過去のリリース分に比べると酸は少しやわらかくなった印象。油脂分のある一品と。

おすすめ:フライドチキン

品種構成:シャルドネ55%、ピノ・ノワール45%
輸入元:サントリーワインインターナショナル
参考価格:13,000円

この記事を書いた人

WINEWHAT
WINEWHAT
年末はこの1年の感謝を込めてシャンパーニュを開けまして。

キリスト教とは無関係でも開けまして。

正月は新しい1年の無病息災を祈って開けまして。

あけましたらおめでとうございます〜。