レコルタン・マニピュラン(RM=Récoltant Manipulant)とは、小さなブドウの栽培農家がすべての行程を独自に行い、販売している製品のこと。ここでは、自社畑のブドウを自家醸造するオリジナリティ200%のRMから13アイテムをテイスティングしました。

01 ロベール・モンキュイ 

ル・グラン・ブラン・エクストラ・ブリュット・グラン・クリュ NV

紫貴 秀逸なシャルドネを産するル・メニル・シュール・オジェらしく、きれいな酸が特徴的。食事と合わせたとき、また違う魅力を発するはず。

 ナッツを炒ったような香ばしさを含め、香りのレイヤーが何層にも重なる。熟成が進むほど層はさらに積み重なり、何年経っても落ちないポテンシャルがある。今はまだストレートで厳格だが、あと2年ほど待てば、「まず食事に合わせ、食後のリフレッシュでまた1杯」といった使い方も可能。

■1889年創立。今までステンレスタンクのみ用いていたが、創立者の孫が5代目として采配を振るう今、味わいに深みをプラスするためバリックと大樽も導入し始めた。

品種構成:シャルドネ100%
産地:メニル・シュール・オジェ
輸入元:豊通食料
希望小売価格:6,500円



02 シャトー・ド・ブリニ

シャンパーニュ・シャトー・ド・ブリニ・グランド・レゼルヴ・ブリュット NV

紫貴 赤いベリーの香りが捉えやすい。荒々しい酸化的な要素はなく、とてもクリーンな造り。ワイン入門者にも、興味深いRMブリュットとして紹介しやすい。

 小さなRM生産者にありがちなトゲトゲしたところがなく丸みがあり、バランスよく複雑味も備わっている。オーブという産地から生まれる寛容なキャラクターが巧みに表現されていて、万人ウケする味わい。

■シャンパーニュでシャトー(城)を所有する唯一のRMメゾン。侯爵が狼を狩るための拠点としたという由緒正しきシャトーは、18世紀に醸造所へと改築。フィロキセラ禍を乗り越えてシャンパーニュ生産を続け、今日に至る。

品種構成:ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%
産地:シャンパーニュ
輸入元:スマイル
希望小売価格:6,000円



03 シャトー・ド・ブリニ 

シャンパーニュ・シャトー・ド・ブリニ ブラン・ド・ブラン ミレジム 2007

紫貴 トーストとはちみつの香りが広がることから、熟成の長さを感じさせる。優雅なスタイルだが、理解者は一部に限られそう。ブルーチーズにはちみつをのせたものと合わせたい。

 コート・デ・バールの造り手ながらシャルドネ100%は珍しい。ただ、シャブリと同じキンメリジャン土壌なので、シャルドネ栽培に向いていないはずがない。収穫期に雨が降ったものの基本的には暑い年だった 2007年なので、とてもふくよかでリッチなシャルドネを望む人向きの味わいに仕上がっている。

■所有畑は丘の上にあり、土壌は石灰質。もともとは修道院の管轄下にあり、評判の高かった銘醸地が中心。

品種構成:シャルドネ100%
産地:シャンパーニュ
輸入元:スマイル
希望小売価格:9,000円



04 ルラージュ・プジョー

ルラージュ・プジョー ハニー ハーモニー NV

紫貴 アカシアのような香り。泡がそれほど強くはなく、まったりと穏やかな印象。とはいえ華やかで上品な一面もあり、とても不思議なシャンパーニュ。やや甘めな味わいの部分とリンクさせて、甘海老の握りなどと合わせても。

 本来はピノ・ムニエの産地として知られるヴリニィにメゾンを持ちつつシャルドネ100%のシャンパーニュを造り、さらにはドサージュにはちみつを使うという特異性に注目したい。はちみつを使っているなら甘いのか、というとそうではなく、かえってドライな印象が強い味わい。ミネラルや塩気といった海の印象もあるので、ヨード感とミネラルがある北寄貝などと合わせたい。

品種構成:シャルドネ
産地:ヴリニィ村
輸入元:The Opener
希望小売価格:10,000円



05 ランスロ・ピエンヌ

ターブル・ロンド ブリュット NV

紫貴 炒ったアーモンド、ヘーゼルナッツが香り、ソレラシステムを用いたリザーブワインならではの熟成感を堪能できる。ただ、口にしてみると酸が活き活きとし、香りから連想するほど熟成が進んでいるわけではないと気づく。このシャンパーニュを選ぶ人は相当の玄人。

 ブリオッシュや乳酸発酵系の香りが強めで、味わいは複雑味に富んでいる。チーズを合わせるなら、モンドールを。半分はそのまま食べ、もう半分にシャンパーニュ少々とニンニクのスライスを入れてオーブンへ。

■ブドウ栽培家を出自とする造り手で、日照に恵まれた斜面に広がる特級畑クラマンのシャルドネをメインに使用。

品種構成:シャルドネ100%
産地:Champagne Grands Cru
輸入元:フィラディス
希望小売価格:7,000円



06 シャンパーニュ クリストフ・ミニョン 

エクストラ・ブリュット NV

紫貴 ピノ・ムニエ100%とは珍しい。品種に由来する赤系果実の香りが支配的で、トーストのニュアンスも加わる個性派。果実味は豊かで酸はおだやか。ちょうど飲み頃を迎えていて、今すぐ飲むのにふさわしい。

 基本的には、アタックの部分を担うシャルドネと余韻を担うピノ・ノワールの中継ぎ的役割にとどまるピノ・ムニエ。ドサージュ量が少ないのに果実味を豊富に感じるのは、ピノ・ムニエのひとつの個性だ。フルーティさと瞬間的な熟成感のピークを楽しみたい。

■ビオディナミを実践し、醸造時も天然酵母とビオディナミで培養した酵母で醗酵。リザーブワインの使用比率は50%、瓶内熟成24カ月。

品種構成:ピノ・ムニエ100% 
産地:シャンパーニュ
輸入元:木下インターナショナル
希望小売価格:7,300円



07 ポール・ローノワ 

モノクローム グラン・クリュ NV

紫貴 グレープフルーツ、ライムなどの柑橘、生イーストが軽やかに香る。酸が活き活きとして、大手メゾンにたとえれば、テタンジェやドゥラモットのスタイルに近い。それなりに熟成感もあるが、しっかりとした柑橘の風味に合わせて、ポン酢を使ったしゃぶしゃぶ、もみじおろしをそえたふぐをポン酢で。

 香りにはミルキーな要素もあり、酸はシャープで厳格な印象。オートリシスにより、さらにトースト香が進んでいる。鍋なら、このシャンパーニュで最後のシメの雑炊まで通せる。

■父親からリュット・レゾネの畑を継いだ栽培農家のジュリアン・ローノワが、2015年に息子の名前を冠して設立したRM。

品種構成:シャルドネ100%
産地:ル・メニル・シュル・オジェ
輸入元:ヌーヴェル・セレクション
希望小売価格:8,000円



08 ローノワ ペール エ フィス 

ブラン・ド・ブラン スペシャルクラブ 2010

紫貴 どこか素朴で親しみやすいスタイル。メイラード反応による熟成感を楽しみたい方に。

 2010年のヴィンテージワインを造る生産者は非常に少ない。去年デゴルジュマンしたとして7年熟成していたことになるので、さすがに旨味の凝縮感がある。ラフな印象を残しつつ、素材となるブドウのよさがいかんなく発揮されている。ル・メニル・シュル・ロジェという産地から来るミネラル感、ヨード香、熟成による味噌に近い風味をふまえて、牡蠣の土手鍋を合わせたい。

■1872年創業、現在は8代目の姉妹が切り盛りするメゾン。畑はリュット・レゾネを実践、ブラン・ド・ブランのブドウはすべて特級畑で収穫。

品種構成:シャルドネ100%
産地:シャンパーニュ
輸入元:徳岡
希望小売価格:10,000円



09 ドメーヌ・ヴィルマール 

1re Cru リリー・ラ・モンターニュ・グランド・レゼルヴ NV

紫貴 クミンをはじめとするオリエンタルスパイス系の不思議な香りがとらえられる。樽を使用していることで、ピノ・ノワール主体ながらも赤いフルーツの要素を強くは感じない。飲み手を選ぶシャンパーニュではあるけれど、その分、玄人どころか超上級者をも驚かせることのできる1本。

 カレーのスパイスが香るので、実際にカレーとも合わせられそう。チーズならマンステールを。

■畑は11ヘクタール、年間生産量は約7000ケースと非常に小規模なRMで、化学薬品を一切使用しない栽培、樽醗酵・樽熟成を特長としている。NVは大樽で10カ月熟成させたのち、24カ月瓶内で熟成させる。

品種構成:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
産地:シャンパーニュ
輸入元:ヴァンパッシオン
希望小売価格:8,000円



10 ド・スーザ

ブリュット トラディション NV

紫貴 白い花が香りの中心に位置。酸がはっきりしつつ酸化的要素は見られない。ピュアな味わいが楽しめる、いわば清純派。白身魚のカルパッチョや、昆布締めと。

 柑橘や洋梨が香る。背筋が伸びるようなスタイルながら、わりと丸みも感じられる味わい。造りが非常に上手い。合わせるなら、鯛の昆布締め、または火を通した鯛に柑橘のニュアンスを加えたソースを添えて。柚子をかけて食べる和食全般にも馴染むシャンパーニュ。

■コート・デ・ブランのアヴィズにメゾンを構え、ビオディナミを実践するRM。ブリュット・トラディションは大樽発酵、16カ月瓶内熟成。大部分のブドウは樹齢40年以上。

品種構成:シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ
産地:コート・デ・ブラン
輸入元:nakato
希望小売価格:8,100円



11 エー・ロベール

クラシック・ブリュット NV

紫貴 固い洋梨、ジンジャークッキーのニュアンスあり。酸は活き活きとし、果実味とのバランスがとれている。熟成が進んでいる感はさほど強くないが、いかめしさはすでに消え、飲み頃であることを教えてくれている。ピノ・ムニエからくる印象が甘めで、ホッとするスタイル。白味噌を使ったクリーミーな料理や、ホワイトシチューと。

 オートリシスからくる旨味成分、ほどよい熟成感あり。仔牛を使った料理を合わせたい。

■1722年に創業した栽培農家の系譜を継ぐメゾンで、フランス農水省の環境認証HVEを取得。なお、ル・メニル・シュル・オジェのアラン・ロベールと混同されがちだが、まったく別物。

品種構成:ピノ・ムニエ、シャルドネ、ピノ・ノワール
産地:フォソワ
輸入元:ヴィノラム
希望小売価格:6,500円



12 ニコラ・マイヤール 

ブリュット・プラティーヌ 1er Cru NV

紫貴 フランボワーズのような赤い果実の香りが一気にふくらみ、そこにすみれの花のニュアンスも加わる。オートリシスの影響はさほど出ておらず、酸味は力強く、ピノ・ノワールに由来する骨格の堅固さを感じる。このメゾンが拠点を構えるランス界隈は、比較的パリに近いため、食事の地方色が薄く、オール・マイティ。このシャンパーニュにぜひトマトソース系のピザやパスタなどイタリア料理を合わせてみたい。

 酸にキレがあり、ピノ・ノワール比率が高いわりにサラリとした味わい。

■親戚が所有する畑のブドウを使うため、ラベルにはネゴシアン物(NM)と書かれているが、実質はRM。

品種構成:ピノ・ノワール78%、シャルドネ16%、ムニエ6%
産地:エキュイユ
輸入元:豊通食料
希望小売価格:6,500円



13 ペロ・バトー・エ・フィーユ

キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ 1er Cru エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン NV

紫貴 ウォールナッツが香り、一部を木樽で醸造していることによるおだやかな酸化熟成を感じる。酸が活き活きしているのは、シャルドネに由来。アフターにはほどよい苦みがあり、酸が長く伸びていく感じが非常に好印象。ちょっとプレミアムなシャンパーニュなので、甲殻類が合いそう。

 ロブスターのテルミドールがオススメ。

■両親が立ち上げたものの一度は閉めたメゾン「ペロ・バトー」を娘たちが復活させ、後ろに「エ・フィーユ(娘たち)」を加えた名前で再稼働。コート・デ・ブランに所有する畑はリュット・レゾネを実践。95%がシャルドネで、残りはロゼ用のピノ・ノワールを栽培。

品種構成:シャルドネ100%
産地:ペェルジェール・レ・ヴェルテュ
輸入元:アンジュエ
希望小売価格:8,500円

この記事を書いた人

WINEWHAT
WINEWHAT
年末はこの1年の感謝を込めてシャンパーニュを開けまして。

キリスト教とは無関係でも開けまして。

正月は新しい1年の無病息災を祈って開けまして。

あけましたらおめでとうございます〜。