「スクリューキャップのワインはすべて安物」なんて誤解が完全に消え去った今なら、すぐに気付けるだろう。「缶入りワインはすべて安物」というフレーズもまた、ナンセンスであることを。
缶ワイン「ヘッド・ハイ」

「缶ワインをプシュっと開ける音を聞いて過ごす朝って最高ですよ~」とクリス・マットソン。「朝から?」とのツッコミを待つ陽気な彼だが、クリントン政権時代の大統領補佐官だった硬派な過去アリ。年間1000ケースと少量生産のレッド・ハイが缶ワインの世界をいかに変えていくのか、論理的に説いて見せる姿はさすが、よっ大統領(補佐官)!

入手困難なカリフォルニアワイン、キスラーをはじめ銘醸ワイナリーをいくつも所有するビル・プライス。

熱狂的でコアなファンを相手に超高級ワインをリリースしてきた彼が、一方で気にかけていたのはアメリカの若い世代。ワインに興味はあれど、ボトル1本分となるとボリュームにも金額にも躊躇してしまう若者へ向けて、ビルは缶ワイン「ヘッド・ハイ」のリリースを決断した。

缶ワイン

「ヘッド・ハイ ピノ・ノワール カリフォルニア」参考価格900円(250ml)。ヘッド・ハイとは、ハワイでサーファーたちが待ち望む大きな波の愛称。オーナーのビルがサーファーである縁により、売り上げの一部は海の環境保護に取り組むサーフィン団体へ寄付される。缶はガラス瓶より軽量で、運送時のCO2排出量減少にも貢献。じつにエコなのだ。

缶なら、手頃な価格でほどよい量の上質ワインを提供できる。缶ビールを買う感覚で缶ワインを手にとってもらえると、敷居はぐんと低くなる。

中身は、ソノマの冷涼な畑で栽培されたピノ・ノワール。大手企業から幾多の缶ワインがリリースされ、消費量もうなぎ上りのアメリカとて、気軽さとともに「きちんと味わえる喜び」も伝えてくれるヘッド・ハイは稀少な存在である。

「缶の容量は、あえてアメリカで非標準の250mlをチョイス。グラス1杯飲んで、追加でまだ飲める絶妙な量なんです」と語るのは10月に来日したヘッド・ハイのディレクター、クリス・マットソン。

フルボトルの1/3量をグラス1杯超とするクリスの豪快な計算、けして嫌いではない。嫌いではないが、いちおう日本的サイズに換算し直し……3人で1缶シェアしても十分イケそうだ。

軽くて割れない缶ワインは、アウトドアにもってこい。屋外ではグラスを用意することなく缶からダイレクトに飲もう。室内なら、グラスに注ぎピノの香りを堪能したい。さらには、同じヘッド・ハイで缶とボトル(3600円)の両方入手を。

クリス曰く「缶はステンレスタンク熟成、ボトルは樽熟成」と微妙に差を持たせているそうで、飲み比べが楽しみ!