スコットランドのシングルモルトウイスキーのなかでも、優しい印象をあたえてくれるのがグレンモーレンジィ。その理由と特徴を紹介します。

グレンモーレンジィ オリジナル。豊富なラインナップを誇るグレンモーレンジィの代表作。爽やかな柑橘の香り、華やかなバニラの風味、なめらかな口当たりが特徴。

ワイン好きにグレンモーレンジィをすすめたい3つの理由

グレンモーレンジィは、ワイン好きにこそ味わってもらいたいシングルモルトだ。

スコッチウイスキーには「強い」というイメージがある。だがグレンモーレンジィは「優しい」。凛としながらも滑らか、ピュアでスムーズ、多彩な柑橘やフレーバーを感じながらスパイス的な複雑さがある。白やロゼワインのレビューのようだが、これがグレンモーレンジィ。

何故だろう? 3つの理由を挙げてみよう。まずは「水」だ。通常は軟水が適するといわれるが、使われるのはハイランド地方、グレンモーレンジィ蒸留所の敷地内にあるターロギ―の泉から湧き出すミネラル豊かな硬水。

100 年以上かけて地中で濾過された硬水がクリーミィなテクスチャーとフルーティーな味わいを生む。

次に、蒸留の決め手となる「ポットスチル(蒸留器)」。もともと使われていたのは苦肉の策ともいえる経緯で入手したジン用。これが上品な風味をもたらしたことで人気を博した。今もキリンと同じ高さと言われる長い首のポットスチルが、ピュアでフローラルなグレンモーレンジィの世界観を守り続けている。

もともとはジン用だったポットスチル。今でも同じ背の高い蒸留器は華やかなアロマとエレガントな味わいを生む。

そしてワイン好きには見逃してほしくないのが「樽」だ。例えば「ネクター・ドール ソーテルヌカスク フィニッシュ」。これは通常の樽で約10年熟成させた原酒をソーテルヌワインの樽に移し、さらに数年かけて熟成させる。シングルモルトの世界にソーテルヌらしい甘美な果実感が絡めば幸せな迷宮に誘われる。ほかにもポート、シェリーなどの樽で熟成したものまである。

「ネクター・ドール ソーテルヌカスク フィニッシュ」の樽

デザイナー・カスクとよばれる原木の調達からこだわった樽。グレンモーレンジィは追加熟成を初めて導入したパイオニアでもある。

樽のこだわり、多彩な味わい。グレンモーレンジィは、ワイン好きのシングルモルトへの扉を開いてくれるだろう。

モルトはごくライトにピートしている。原酒の一部に焙煎麦芽(チョコレートモルト)を使用した「シグネット」という革新的なものもある。