ジェームズ・ボンドのシャンパーニュといえば「ボランジェ」で決まりである。もちろん、ボンドとそのときのヒロインが甘く危険な香りがするときに、ファッション、風景ともに完璧なシチュエーションでボランジェは現れる。
ボランジェ 

ジェームズ・ボンドの活躍はシャンパーニュとともに

英国はシャンパーニュをこよなく愛する国だ。シャンパーニュの国別輸出量は1位。2位はアメリカだが、アメリカの人口約3億3000万人に対して英国の人口は約6750万人。英国王室や歴史にその名を刻む大物から、普段のハレの日まで、英国とシャンパーニュの関係は深い。

ジェームズ・ボンドの活躍もシャンパーニュとともにあった。中でも長く関係を築いたのが「ボランジェ」だ。

1973年、ポール・マッカートニー&ウィングスの主題歌も印象深い「007/死ぬのは奴らだ」に初登場(公認はムーンレイカーから)。2020年秋に公開予定の最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」まで18作、4人のボンド(ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグ)を彩ってきた。

華やかなガラディナー、東欧の太陽の下、悲しみと怒りの場面。「カジノ・ロワイヤル」、バハマのリゾート、美女との時間でダニエル・クレイグはこう言った。「冷えたボランジェのグランダネ。キャビアとともに」。ウォッカ・マティーニは「舌がしびれるほど冷やして」味わうのが好きなボンドだが、どうやらボランジェは、ほどよく冷えたものがお好きなようだ。どの場面もクーラーに入れられ、注げば心地よく泡が立ち上る。

007とボランジェ
 
007とボランジェ
 

ボランジェをじっくり味わうべき3つの理由

そう、ボランジェは、じっくり味わうべきシャンパーニュと言えるだろう。1829年、ジャック・ボランジェによって設立。以降、哲学と伝統を厳しく守り続けてきたメゾンだ。じっくり味わうべき理由。キーワードを3つ挙げるとすれば「ピノ・ノワール」、「樽熟成」、「歴史」だろう。

ボランジェの本拠地アイ村はシャンパーニュの中でもピノ・ノワールの聖地と呼ばれる。シャンパーニュにおけるピノ・ノワールがもたらすものは、気品ある重厚感、骨格、深み。上質な赤ワインやスコッチ・ウィスキーを味わうようにじっくりと胸の奥に広げていく喜びがある。

それをより豊かに、深くしてくれるのが「樽熟成」だ。オーク樽による熟成は伝統的な手法だが、現在もこだわり続けているメゾンは少ない。流儀を変えずに、しかし、だからこそ今の時代に新しい価値を持つ。

「歴史」の中で特筆すべき物語は、第2次世界大戦、ドイツによる占領という困難の中、ボランジェの経営と哲学を守り、むしろ現代に続く品質を確立し、世界へと広げたエリザベス・リリィ「マダム」ボランジェ。007で言えば、ボンドの上司として鉄の意志とにじみ出てしまう愛情で彼を支えた、ジュディ・デンチ演じる女傑「M」が思い浮かぶ。

ボランジェ

実は映画のシーンでエチケットが明確に映るシーンはあまりない。しかし、一瞬でも登場するとなぜか「ボランジェだ!」とわかってしまう。とても印象的に登場する。

ボランジェを味わいながら007を観る贅沢

ボランジェは、映画の公開に合わせて限定アイテムをリリースしてきた。ボランジェの価値観と007の世界観。ボランジェが大切にすること、ボンドが貫くこと。ボランジェを味わいながら007を観ると、両者の深い絆を感じてしまう。

もっとボランジェを知るために、007を知るために。今夜はどの作品でコルクを開けようか。


 
ボランジェ
 

1979年ボランジェは「ムーンレイカー」で007オフィシャル・シャンパーニュとしてスクリーンデビューから40年という節目を迎えた昨年、11月20日公開予定第25作「NO TIME TO DIE」を記念して「ボランジェ007リミテッド・エディション ミレジメ 2011」が発売された。コラボシャンパーニュは発売と同時にほぼ完売となる人気の高さだ。
●希望小売価格:26,000円