ワインを選ぶ際のキーワードとして、「オーガニック」「サスティナブル」などの考え方が、急速に存在感を高めている。
その背景には、美味しさやラベルのカッコよさ、コストパフォーマンスの高さなど、今までよしとされてきたワインに関する直接的な要素を超えて、地球環境の保全や人びとの間の不均衡の是正など、世界規模での広い視座がある。
そうした消費者の姿勢をあらわす言葉が「エシカル」。
もちろん、美味しいことを大前提としながら、ワインを飲みながら世界を思う。
生産者の取り組みやこだわりを知り、また自らも社会的責任の一環として、ワインをチョイスするのがこれからのカッコいい大人のスタンダードなのである。
サスティナブルワインのある生活 

「オーガニック」「サスティナブル」「エシカル」とは?

今、世界中でサスティナブルワインに注目が集まっている。

サスティナブルとは、「持続可能」という意味。そもそも、そのワインを造ることが、社会的活動として持続可能であるのかを、造り手自ら深く問いかける姿勢のあらわれである。

ワインを造るために、自然が破壊されていないか、雇用が守られているか、搾取や不均衡が無いか、そして、経済活動として破綻なく、長く続けられるか、など、さまざまな社会的責任に配慮しなければならない。

造り手の取り組みである「サスティナブル」に対して、消費者側の取り組みを表す言葉が「エシカル」である。

「エシカル」は、直訳すると「倫理的な」という意味。個々消費者の良識によって支えられる「社会的模範」を意味する言葉だ。

先進国による大量生産、大量消費がまわりまわって、途上国の社会的弱者の搾取や資源枯渇、環境破壊に繋がっ ている、とはしばしば指摘されること。

現代生活は、消費と無縁には成立しない。

したがって、消費対象物が、いつ、どこで、誰に、どのように作られたものか――を考えることが、たとえ小さく とも、貧困や人権問題、気候変動などさまざまな問題解決の糸口になる。

つまり、地域や社会に貢献しているサスディナブルナワイナリーであるかという評価が、ワインを選択する際、「美味しさ」や「稀少性」と同じくらい重要になる。これもまた、消費者側が担うべき、社会的責任というわけである。

サスティナブルワインのある生活 

「オーガニック」は「サスティナブル」の一手段

ワインを造ることにともなう社会的責任を未来にわたり果たそうという造り手の姿勢、毎日の食卓にのぼらせる ものの選択が未来へと繋がるという消費者の心構えは、今、急速に全世界へと広がっている。

ワイン業界で近年、特に注目されるワードのひとつに「オーガニック」がある。オーガニックワインとは、化学薬品を排除した自然な作りで育まれたぶどうを用い、保存料なども極力抑えて造られたものをさす。

こうした有機的な造りに支えられたイメージが、健康志向と結びつき、「オーガニックワイン」は、ワイン愛好家の心を捉える一分野を確立したわけだが、その一方で、「有機ワイン」「ビオワイン」「ビオディナミ」「ヴァン・ナチュール」などさまざまなワードが林立して、その実態が不鮮明になっているという側面もある。

整理すると、「オーガニックワイン」とは、化学的な農薬、肥料、除草剤などを使わずに有機的に栽培されたぶどうを用い、保存料や香料を使わないワインのこと。EUや農林水産省が認めるJAS規格など認証機関の認証を得ているものである。

それに対して「ビオワイン」は、日本では認証する団体がないので、しばしばオーガニックワインと同系統のものとして扱われがちだが、厳密には、それぞれ位置付けが異なっている。この「ビオワイン」と呼ばれるものの中に、遺伝子組み換えや放射線処理の行われていないEU認定の家畜の糞を原料とする有機肥料を使用し、通常のオーガニックワインで認可された醸造の段階の添加物も極力控える「ビオロジック農法」、ビオロジック農法をベースに、20世紀にオーストリアの人智学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した、月の運行や星座の位置、引力、気圧などにも配慮する「ビオディナミ農法」、害虫や病気に応じて、「農薬や化学肥料などは極力使用しない」栽培を実践、完全無農薬ではないが、合理的なスタイルである「リュット・レゾネ(減農薬栽培)」、ぶどう栽培から醸造まで一貫して科学技術に極力頼らず、手摘み、自然酵母、殺菌剤も硫酸銅や消石灰など自然界に存在するものを使用する「ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)」などがある。


 

サスティナブル

「持続可能な」という意味で、サスティナブルコードには、「水やエネルギーの節約」「健全な土壌の保持」「生態系保護」「資源リサイクル」「従業員や地域住民との関係改善」「経済的な持続」などが含まれる。

サスティナブルは、持続可能な経済活動がおこなわれているかという基準であって、直接ワインの品質を保証するものではない。

しかし、ワインの品質にまったく影響を与えないわけではなく、環境を守るためには、有機的な栽培をおこなう必要があり、ワインビジネスには、運搬、器具、エネルギー消費は不可欠な要素。そうしたワインの周縁にまで視野を広げ、より環境に良い選択をするところに、サスティナブルの真骨頂がある。

サスティナブルは、環境、ビジネス、社会責任を調和させようとする取り組みによって、ナチュラルな志向をうながし、結果的にワインの 品質を上げる、プラスの連鎖を作り出すのである。

オーガニック

化学物的な農薬、肥料、除草剤などを使わずに有機的に栽培されたぶどうを用い、保存料や香料を使わないもの。(EUや農林水産省が認めるJAS規格など認証機関の認証を得ているもの)

エシカル

造り手が取り組む「サスティナブル」に対して、消費者側の取り組みを表すのが「エシカル」(ethical)、直訳すると「倫理的な」という意味。

法律で規制する、される問題ではなく、個々人の良識によって支えられる「社会的模範」を意味する。

国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)には、「貧困をなくそう」(目標1)、「人や国の不平等をなくそう」(目標10)、「気候変動に具体的な対策を」(目標13)、「海の豊かさを守ろう」(目標13)、「陸の豊かさも守ろう」(目 標14)などの目標があげられています。その中の「つくる責任、つかう責任」(目標12)こそ、エシカルそのものといえよう。


 

「サスティナブル」に取り組んでいるブランド紹介

あの有名ワイナリーはどうサステイナブルか?
マァジ(MASI)編
フェッラーリ(FERRARI)編
プラネタ(PLANETA)編
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エル・エステコ(EL ESTECO)編