コロナウイルスの影響をまだまだ引きずる今日この頃。「遠出を控えて」西オーストラリア州内で楽しむワイナリー旅をKisa Motoさんが紹介!

新型コロナウイルス事情 続報

あっという間に、半分以上が過ぎてしまった2020年。実感の無さに驚きを隠せない。私の住む、西オーストラリア州は、州境を未だに閉じたままであることがオーストラリアでも話題になっている。

州内感染を封じ込め、他州・他国との行き来を禁止することで、コロナの収束に成功している。州境・国境を開くと、第二波が来てしまうのではないかという恐れから孤立した状態を貫いているが、この状況もいつまで続けられるのか。

地元の美しさに目を向けて

旅行先を失った西オーストラリア州の人々が退屈しているかというと、そうでもない。首都パースを中心に北や南へ、見どころが満載なのだ。

北にある観光地ブルームでは、真っ青な海と広大な景色が楽しめる。真珠産業が盛んで、高い技術を持った日本人潜水夫たちが多く移り住んだ歴史を持ち、日本とブルームは深い関わりを持っている。

今回は、パースから南へ車で30分ほどの場所にあるワイン産地「パースヒルズ」をご紹介したい。

Perth Hills

高品質ワインの生産を誇る西オーストラリア州。マーガレットリバーなど日本での認知度も少しずつ上がってきたように思う。

今回ご紹介するパースヒルズは、まだまだ知られていないが魅力的な産地の1つだ。造られるワインのほとんどは、地元で消費され他国に輸出される割合は非常に少ないように思う。ヒルズというその名の通りパース市内より標高が高く総面積としては14 ヘクタールほどある。ワイナリーは、全25軒。内1軒ほどしか日本には輸出されていないはず。そんな、まだまだ知られていない産地にお邪魔すると、のんびりした自然が残る優しい景色が自然と気持ちをほぐしリラックスさせてくれる。



ほとんどのワイナリーが家族経営の小規模ワイナリー。家族総出で造ったワインが地元の人々に愛されている様子は、グランマ(おばあちゃん)が造ったワインが台所の下から出てくるようなイタリアの田舎街を思わせてくれる。

La Fattoria

イタリアからの移民家族が3世代に渡り営むワイナリー「ラ ファットリア」では、イタリアの家庭料理とイタリアブドウ品種のワインを楽しませてくれる。

目の前に広がるガーデンにたわわに実るオリーブやハーブがチーズプラッターに個性を添える。ここでいただくお料理は、本場イタリアの家庭料理。家族のように温かく迎えてくれた。

おばあさんのレシピで料理を作り、おじいさんと息子がワインを造る。出来たワインとお料理が、お孫さんたちによって私たちのテーブルに運ばれる。



活き活きとした眼差しでワインやお料理について話すお孫さんの様子を見ると、素敵な家族だなぁと温かい気持ちになった。「私たちがここで暮らす理由」そんなものを感じさせてくれる素敵な場所。

この日、ラ ファットリアで飲んだ中で印象に残ったのは、イタリアピエモンテ州が原産のブドウ品種ブラケットで造られたワイン。

イタリアでは、甘口スプマンテに仕上げられることが多い印象だが、輝く透明感のあるルビーレッドが特徴的なロゼだった。バラのようなキュンとする甘い香りに、艶やかな舌触り。寒い季節の昼下がりに心地よい日差しを浴びながら外で一杯頂くには、もってこいの見た目と味わいだった。

イタリア原産のブドウ品種ブラケットで造られたキュートな色合いが印象的なロゼ。色合いや香りからイメージ出来る通りの心踊る味わい。

国境を越えて

他国との行き来が出来ないと嘆くよりも、改めて地元に目を向けることでこのような素晴らしい出会いに恵まれた。過去に他国から持ち込まれたブドウ品種がオーストラリアにやってきて力強く育ち、美味しいワインになっている。ブドウ栽培やワイン造りの発展と進歩に感服である。今回出会えたブラケットのロゼに勇気付けられ、心温まるパースヒルズワイナリーツアーとなった。

この記事を書いた人

Kisa Moto
Kisa Moto
2015年にオーストラリアへ移住。WSET WineEducationにてワインを学び、現地でソムリエを経験。WINE LISTのオーストラリア現地スタッフとしての他、ワインコンサルタントとしても活躍。毎月パース市内にて、ワイン教室を開催。
Facebook: Kisaki Moto instagram: kisakimoto