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富⼭県南砺市⽴野原地区の「ドメーヌ・ボー」が初のワインを発売

2020年ヴィンテージの6種類

2017年11⽉に富⼭県南砺市⽴野原地区にトレボー株式会社(富⼭県南砺市、代表取締役社⻑ 中⼭安治)が設立したワイナリー「ドメーヌ・ボー」が、2021年3⽉31⽇に6種のワインを初リリースした。

日本のコート・ドールはワインの故郷となるか

WINE WHAT編集部に2021年3月29日に届いたニュースリリース。それが興味深いものだったので、ここでは、遅ればせながら、そのニュースリリース、ほぼそのままの形で、そこに綴られていた富山県のあたらしいワイナリー「ドメーヌ・ボー」のことを紹介したい。

まずは「100年先、200年先も幸せを届けるワイナリーを。「ドメーヌ・ボー」の誕⽣ストーリー」と題された第一セクション。

ドメーヌ・ボーを運営するトレボー株式会社の代表取締役 中⼭安治⽒は、富⼭県⾼岡市で酒販店「なかやす酒販株式会社」を約50年間経営の後、2018年に同社の会⻑に就任。

70歳を迎えるにあたり、ワインを通して地元富⼭県を盛り上げ社会に恩返しをしたいという想いから、ワイナリー ドメーヌ・ボーを設⽴したという。

クラウドファンディングや、助成⾦などさまざまな資本的⽀援と、南砺市農政課や富⼭県農林⽔産部の技術的⽀援を受け、現在12ha におよぶ畑に27000本のブドウの樹を育てている。この自社畑は2022年には18haまで拡⼤する予定だ。

ブドウ畑⼀帯は、柿やイチゴなどの農作物栽培も盛んな地域で、秋になると植物が⻩⾦に染まることから「コート・ドール」と名付け、過疎化が進み⽣まれた多くの耕作放棄地をブドウ畑へ変え、地域の農家を新たに雇⽤するなど、さまざまな⾯で⽴野原の地域に根ざしたワイナリーになりつつある、という。

さらに、⽴野原コート・ドール構想を掲げ、⼀帯を芸術の郷としてアーティストのギャラリーやミニコンサートの会場としての提供や、カフェレストランの開業、パンやチーズ⼯房の誘致などの展開を計画している。

次なるセクションは、「最先端技術を取り⼊れた“農業を科学する”ワイナリー」と題されている。ここでは、現在すでに12ヘクタール、今後18ヘクタールという、広い畑のブドウのことや環境の話よりも、その管理の話が語られる。

ドメーヌ・ボーではICT(情報通信技術)、IoT(モノのインターネット)、AI(⼈⼯知能)、5G(第5世代通信システム)の最先端技術を導⼊しています。ブドウ畑の上空にはドローンが⾶び、地上にはローバーが⾛り、双⽅をAIで繋ぐことで⿃獣害対策や農作業の効率化を⾏っていきます。また、ブドウファーモと呼ばれる温度や湿度を測る情報通信センサーを畑に設置し、5分ごとに畑のデータを収集、ブドウの成育状況や品質向上の解析を⾏うなど、先端テクノロジーを取り⼊れたスマート農業を展開しています。

という。

続くセクションでは、ブドウをワインへと変える醸造家へと話が移る。小見出しは、「エノログ(醸造家)は⽇本酒の元杜⽒が担当」

醸造担当は、富⼭県の酒蔵で14年間杜⽒を務めた経歴を持ち、⽇本酒の発酵技術や知恵をワインの醸造に活かしています。さらに⽇本ワインコンクールで⾦賞を獲得したまるき葡萄酒とサントリーで経験を積み研鑚を重ねてきた醸造家がワイン造りに携わっています。

ドメーヌ・ボーの醸造家たち

醸造機器はイタリア製、ステンレスタンクはクロアチア製の最新機器を導⼊し、1 回の総⽣産量は将来的に10万本に達する⾒込み。ワインに使⽤するブドウは⾃然との調和と共存の考えから、必要に迫られない限り農薬を使わないリュットレゾネ(減農薬栽培)で、地元のテロワールを活かしたワイン造りを⼼がけている、とのことだ。

社名の「トレボー(TresBeau)」は、フランス語で、とても美しい、ワイナリー名の「ドメーヌ・ボー(Domaine Beau )」は美しいワイナリーを意味する。

これについては「美しいワイナリーを目指して」というセクションで

⽴野原地域の冷涼な気候を活かした優雅でバランスのよい美しい味わいのワイン造りを⽬指しています。ロゴマークは、ワイン造りにおいてブドウに必要不可⽋な糖と酸を作り出す太陽と星を表現し、その⾃然の恵みから滴り落ちる滴をワインに例えてデザインされました。(⽇中の太陽はブドウに糖分を与え、星空が広がり気温が落ちる夜間に酸味が作られます)

と語られている。

6種のヴィンテージとともにスタート

初ヴィンテージは2020年となり、6種類のワインをもってスタートを切る。

セシボン シャルドネ2020(2,500円)、セシボン オークシャルドネ2020(2,700円)、セシボン メルロー、マルスラン2020(2,400円)、セシボン プティ・ヴェルド2020(2,500円)、セシボン カベルネ・ソーヴィニヨン2020(2,500円)、ヘンシン ピノ・ノワール2020(3,300円)がその6種類だ。価格はいずれも税別。

販売店はIMADEYA 千葉本店、IMADEYA千葉エキナカ店、IMADEYA GINZA、IMADEYA SUMIDA、SAKE MIZUHASHI ROPPONGI。また、公式ページ(https://tresbeau.co.jp/)から同社のECサイトでも購入できる。

6種のワインのうち、リリース内では、「Henshin(ヘンシン)」が、注⽬の1本として挙げられている。

これは黒ブドウのピノ・ノワールを使った白ワイン、ブラン・ド・ノワールだということで

春にふさわしいうっすらと桜⾊のワインは、ピノ・ノワール100%でシャンパーニュの製造⽅法も取り⼊れ、プロヴァンスのロゼワインを彷彿させる輪郭のある綺麗な仕上がりになりました。販売数は500 本限定、ワイン造りの想いに共感いただける飲⾷店や特別な⽇のギフトとして限定販売いたします。

とのことだ。

公式ページをみると、

土壌は全体的に粘土質です。雨も多いですが、それも美味しいワインを造るのに多分良い影響をもたらしてくれるはずです。

テロワールとして最良と言えるかどうかは分かりませんが、私はこの土地に深い愛着を持っていますので、他の土地を求めることは考えていません。自分の女房は他のだれが何を言おうと世界一だというのと同じようにこの土地は私にとって世界一の土地です。

という言葉がある。

通常、ワイン造りは時間がかかるものだ。けれども、日本のワイン造りは、短時間で困難を克服し、思い描くワインを形にしていくエネルギーがあるように感じる。ドメーヌ・ボーのワインがどんなワインか、筆者は知らないけれど、愛のあるヴィジョンを真摯に実現し、優れたワインの造り手として名を耳にするようになる日が、遠からず来ることを期待したい。

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