長い伝統と歴史をもち、ボルドーのなかでも、特別な存在感をはなつ、サン・テミリオン、フロンサック、ポムロールの赤ワイン。いまや、決して閉鎖的な世界ではないという。伝統とあたらしさが混在する、サン・テミリオン、フロンサック、ポムロールの楽しみ方。

サン・テミリオン、ポムロール、フロンサック|Saint Emilion, Pomerol, Fronsac

左から、ソムリエ 石田博さん、サン・テミリオン ワイン議会 フランク・ビナールさん、Restaurant L’aubeのパティシエール 平瀬 祥子さん、シェフ 今橋 英明さん。

1,700軒以上の生産者

ボルドーの北、ドルドーニュ川の右岸に位置する、サン・テミリオン-ポムロール-フロンサック地方。

この、言わずと知れたワインの名産地は、ユネスコ世界遺産にも登録されている名勝地でもあり、AOCは10を数え、ブドウ畑の面積は12,300ha。ボルドーの栽培面積全体からいえば、10%。

シャトー・ペトリュス、シャトー・アンジェリュス、シャトー・パヴィ、シャトー・シュヴァル・ブラン……ビッグネームの高級ワインが綺羅星のごとくに輝き、枚挙に暇がないように感じられるかもしれないけれど、実はそういった高級ワインは、同地方全体の10から15%ほどでしかない。数でいえば、身近なワインがとても多いのだ。

そして、この地方で、ワイン造りにたずさわる人々もまた、近寄りがたい人たちなどでは、まったくない……

そう語るのは、サン・テミリオン ワイン議会のフランク・ビナール氏。

サン・テミリオン-ポムロール-フロンサック生産者組合連盟を代表して、同連盟が日本で開催した、夕食会での発言だ。

というのも、この地域のブドウ生産者は、1,700軒以上もあり、前述の12,300haを割り算すれば、平均栽培面積はわずかに7haとなる。ほとんどが家族経営の小さな生産者ということだ。決して、分厚く高い「名門」ばかりではないのだ。とくに今は、若い生産者も増えているし、シャトーがレストランを営んでいることもある。

そしてまた、小ささは、作品に個性をもたらす。そこがサン・テミリオン-ポムロール-フロンサック地方のワインの面白いところだという。限られた地域で、メルローを中心によく似たぶどう品種で造られながらも、にじみ出る個性。その楽しみを知ってもらいたいというのがこの会の狙いだ。

開催地は東麻布の「Restaurant L’aube(レストラン ローブ)」

WINE-WHAT!?でもおなじみのソムリエ 石田博氏とRestaurant L’aubeのシェフ 今橋 英明氏、パティシエール 平瀬 祥子氏が、ワインにあわせて特別に編み出したメニューが饗された。

果たしてここに、かの、サン・テミリオン、ポムロール、フロンサックのワインの個性を紐解き、身近に感じさせるヒントがあるのだろうか。

一流のプロフェッショナルの仕事には、きっとそんなヒントがあると信じて、ここからは、どんなワインに、どんな料理が、なぜ組み合わされたのか、石田氏のコメントを紹介しよう。

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WINE-WHAT!? 編集部
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