合う料理は焼き鳥からお好み焼きに鰻の蒲焼き、和牛ステーキに赤出汁……カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンは幅が広い!

力強さと果実味だけじゃない!

力強さと果実味で迫るばかりがカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンだと信じている人は正直、時代遅れだ。「産地や品種の枠を、すでに通り越している。玄人にとって、さらに深く入り込みたいと思わせるスタイルがそこにある」と、ソムリエの山本晃平さんは唸る。カリフォルニアワインの異なるベクトルの4本をソムリエ界の若手のホープが紹介する。

  • 山本晃平|Yamamoto Kohei
    山本晃平ソムリエ

    東京・銀座「チュナクルーム」支配人兼シェフソムリエ。モダン・フレンチを提供するレストランで、フランスをはじめ各国のワインを扱う。1本のワインのなかに起承転結を見出し、料理とペアリングさせる能力には定評あり。

今回テイスティングしたワインレビュー

Cabernet Sauvignon California 2014|カベルネ・ソーヴィニヨン カリフォルニア 2014
  • Pepperwood Grove
  • Cabernet Sauvignon California 2014|
    カベルネ・ソーヴィニヨン カリフォルニア 2014
  • 生産国/地域:アメリカ/カリフォルニア
    品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
    希望小売価格:9,000円
カリフォルニアにてネゴシアン・スタイルでのワイル造りを15年以上追求し、高品質なカジュアルアインを世に送り出してきたメーカー。 日々の食卓にちょっとしたお祝い気分を演出し、みんなに愛される味わいの確立に専念する。設立4年目でワイン専門誌「ワイン・エンスージアスト」で、 「アメリカン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。
【山本ソムリエの試飲コメント】

チャーミングで明るめの色調から、すでに品種のイメージを裏切られる。開栓したては、細かい黒こしょうのようなスパイシーさ、清々しい新緑の森、ブラックベリーをはじめとするフレッシュでみずみずしい果物を連想させる香りが。口に含むと、アタックはとてもソフトで、タンインはやさしい。香りとリンクする小粒な果実、鉄分に似た要素もボディからしっかりと感じられる。また時間が経つにつれ、バニラの甘さがふくらむ。余韻には乾燥した木の皮の風味が残り、心地よい。それぞれの特徴がストレートで親しみやすいワイン。

【合わせたい料理】

焼鳥 牡蠣のオイスターソース煮 お好み焼き
白身の肉との相性は抜群。焼鳥はたれ、塩、両方いけるが、ほんのり甘いみりんを効かせ、皮目がパリッとするまで少し焦しつつ調理をすると、ワインのウッディなニュアンスとよく馴染む。ワインに磯の香りもあるので、海苔のような風味を持つ牡蠣とリンクさせるのも楽しい。




Cabernet Sauvignon California 2013|カベルネ・ソーヴィニヨン カリフォルニア 2013
  • Cycles Gladiator
  • Cabernet Sauvignon California 2013|
    カベルネ・ソーヴィニヨン カリフォルニア 2013
  • 生産国/地域:アメリカ/カリフォルニア
    品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
    希望小売価格:1,950円
ミステリアスなラベルは、ベル・エポック時代のポスター・デザイン。自転車の発明で行動範囲が広がり、より自由に活動し始めた女性の姿が、剣闘士(グラディエーター) に見立てて描かれている。ワインはパソ・ロブレス産のブドウを主体とし、ナチュラルな果実味をダイレクトに伝える。古き良きカリフォルニアワインの系譜に連なる、安定感あるボリュームが特徴。
【山本ソムリエの試飲コメント】

このヴィンテージでは、すでに熟成へ入るタイミングにあることが確認できる。香りには丁子、八角のニュアンスがあり、インキーで湿った土、プルーンも含む。アルコールの在り方が興味深い。アルコール度の高さがけして重さにはつながらず、凝縮感ある香りを引っ張りながら果実味ときれいにバランスをとり、うまくまとめてくれる。このまま熟成が進めば、さらにアルコールが奥にまで馴染んでいくだろう。辛口だが果実の甘さも感じられ、フィニッシュはあっさり。何杯でも飲めてしまうタイプだ。唯一無二の個性に惹きつけられる。

【合わせたい料理】

焼鳥 牡蠣のオイスターソース煮 お好み焼き
白身の肉との相性は抜群。焼鳥はたれ、塩、両方いけるが、ほんのり甘いみりんを効かせ、皮目がパリッとするまで少し焦しつつ調理をすると、ワインのウッディなニュアンスとよく馴染む。ワインに磯の香りもあるので、海苔のような風味を持つ牡蠣とリンクさせるのも楽しい。




Cabernet Sauvignon Estate Grown Napa Valley 2012|カベルネ・ソーヴィニヨン エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2012
  • Silverado Vineyards
  • Cabernet Sauvignon Estate Grown Napa Valley 2012|カベルネ・ソーヴィニヨン エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2012
  • 生産国/地域:アメリカ/ナパ
    品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
    希望小売価格:7,000円
ウォルト・ディズニーの娘、ダイアンが夫とともに設立したスタッグス・リープ・ディストリクトのワイナリー。所有畑のひとつには、1976年のパリ・テイスティングで並みいるフランスのグラン・ヴァンをおさえトップに躍り出たワインにも使用されたカベルネ・ソーヴィニヨンが育つ。日照量に恵まれ、砂利質土壌がスロープ状に広がる畑は水はけもよく、骨格ある味わいのワインに。
【山本ソムリエの試飲コメント】

香りがじつに繊細。ドライフルーツに近いほどの凝縮感を持った、熟したプラムを感じる。そこへ竹や笹に似たしなやかな青々しさが加わり、さらに豊かな アルコール感が重なって、高いレンジでのバランスをとっている。強い太陽が育んだ果皮の厚さ、適切な収穫期の選択によるしっかりとした熟度を伺い知る ことができ、ボディは強固。タンニン自体は驚くほどシルキーで、口に含んだ当初はまったく存在を感じさせないにもかかわらず、余韻の時点ではきっちり残り、そのあり方に驚かされる。開けてすぐ飲むならデキャンティングを。

【合わせたい料理】

和牛のステーキ きのこバター醤油ステー
ワインの余韻から連想するのは、赤身の牛肉。エイジングさせた牛肉の要素はワインのなかにもあり、香ばしく焼いた脂が、最後口中に残るワインの繊細なタンニンをキャッチしてくれるはず。ワインが持つ土のニュアンスと馴染むのはキノコ。バター醤油でコクと深みをプラスして。




Cabernet Sauvignon Napa Valley 2013|カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2013
  • Crossbarn by Paul Hobbs
  • Cabernet Sauvignon Napa Valley 2013|
    カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2013
  • 生産国/地域:アメリカ/ナパ
    品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
    希望小売価格:8,500円
オーパス・ワンのワインメーカーなどカリフォルニアで研鑽を積み世界へと飛躍した醸造家、ポール・ホブスによる赤ワイン。収穫は涼しい夜間のうちに手摘みで行い、醸造時は平均26日とかなり長いマセレーション期間を設ける。86%カベルネ・ソーヴィニヨン、7%メルロ、4%カベルネ・フラン、3%プティ・ヴェルド。樽はフレンチオークとアメリカオークをバランス良く併用し、香りと味に独自の奥行きを実現。
【山本ソムリエの試飲コメント】

素直なおいしさが魅力。香りはインク、鉛筆の芯、鉄、革のほか、黒こしょう、ナツメグ、シナモンとスパイスの印象が強い。さらにアルコールが杉、松ヤニとリンクして、爽快感が際立つ。ただし、華やかな香りの印象からの想像とはやや異なり、味わいは収まりのよさを見せる。暖かい産地ならではの構成要 素が素直な味わいに繋がり、ボディははけして弱くないが、タンニンは非常にエレガント。クローブ、丁子、山椒といったスパイスのニュアンスは香りから続き、出汁のようなうまみがジワッと来る。余韻の切れ味が潔く、飲み疲れしない。

【合わせたい料理】

鰻の蒲焼 赤出汁
ワインの山椒的テイストと果実味が、うまみと甘さを兼ね備える鰻の蒲焼にフィット。普段ならスープとワインのように液体同士は合わせないが、出汁のうまみを感じさせるワインだからこそ、あえて赤出汁も薦めたい。可能なら、赤出汁をブイヤベース的にアレンジしても。




[問い合わせ先]ワイン・イン・スタイル ☎ 03-5212-2271
http://www.wineinstyle.co.jp

この記事を書いた人

WINE-WHAT!? 編集部
WINE-WHAT!? 編集部
ワインと食のライフスタイルマガジン「WINE-WHAT!?」編集部です。
ただいま5月号(通巻16号)、絶賛発売中です!
特集は「ワインと焼肉」。牛肉の研究もあります。
次号は6月5日発売。ナパ・ヴァレーの最新情報をお届けします。
WINE-WHAT!? はワインと食を探求し続けます。