パイオニア

ロゼ・シャンパーニュはいつ誕生したのでしょう?

つい数年前までは、ヴーヴ・クリコが出荷した1775年が最初の記録とされていました。
2011年、ルイナールが60本の「ウイユ・ド・ペルドリ」を出荷した記録が見つかりました。ウイユ・ド・ペリドリとは鳥のヤマウズラ目のことで、薄くオレンジがかったピンク色を指します。これはマセラシオン法によるロゼで、現在主流のアッサンブラージュ法によるロゼは、ヴーヴ・クリコがいまだパイオニアとされています。

このように古い歴史をもつロゼ・シャンパーニュですが、多くのメゾンがロゼを本格的に造り始めたのは20世紀以降。ボランジェは当主のマダム・リリーがロゼを認めなかったため、彼女の死後、初めてロゼをつくり、クリュッグも、アンリとレミーの兄弟はロゼ嫌いの父にこっそりロゼを醸造。それが認められて出荷したのは1983年のことでした。

今日、ロゼはシャンパーニュ全体の10パーセントを占めています。今から20年ほど前はわずか3パーセントでした。市場のデマンドに加えて、地球温暖化により、色づきのよい黒ブドウが入手しやすくなったことも理由のひとつです。



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ロゼ・シャンパーニュもシャンパーニュである以上、使われるブドウはピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネ、アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・グリ、ピノ・ブランの7品種と決められていますが、実際にはピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3品種がそのほとんどを締めます。ロゼ用に色づけする品種は黒ブドウ品種であるピノ・ノワールとムニエ。もちろん、アッサンブラージュ法で使う赤ワインもシャンパーニュ地方でつくられたこれら2品種の黒ブドウのものに限られます。


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ロゼ・シャンパーニュは、一般的にピノ・ノワールの香りとされるラズベリーやグロゼイユ(赤スグリ)などの果実系を感じることが多いです。ただ、イチゴ、ザクロ、グレープフルーツ、キルシュ、バラ、オレンジの花、紅茶、ベルガモット、クミンなどなども。


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淡いピンク色からオレンジがかったバラ色、まるで赤ワインかと思わせるほどの濃いロゼと様々な色合いが見られるロゼ・シャンパーニュ。アッサンブラージュ法で造られたロゼは薄く、マセラシオン法は濃い場合が多いですが、“多い”というだけで全てが当てはまるわけではありません。赤い色は果皮から抽出されたものなので、色が濃いほど皮のタンニン(渋み)が強く感じられます。こちらの見本は右から、ルビー、オニオン、ラズベリーピンク、ゴールド、バラの花びら、チェリーピンク、サーモンピンクと表現される。


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白のシャンパーニュ以上に泡が美しく見られるのがロゼ。泡を愛でるためだけならば細かい泡の出るロゼが良いですが、実は泡の大きさはシャンパーニュの個体差よりもグラスの影響が大きいのです。泡は最初は小さく、上昇するにつれて大きくなるので、液面上で見る限りでは泡が長い間登る、長いフルートグラスのほうが大きい泡なのです。ちなみに泡が出るきっかけはグラス内部の突起で、シャンパーニュ専用グラスはきれいな泡を出すため、わざと底部に凸状の突起物があったりします。

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WINE-WHAT!? 編集部
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