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オレゴン・ワインの基礎知識

ブルゴーニュと同じ北緯45度、ピノ・ノワールの優良産地

アメリカの「ワイン・カントリー」はカリフォルニアだけじゃない! 

取材・文:吉田恵理子 写真=菅野祐二 協力:オレゴンワインボード

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オレゴンの州都ポートランドはクラフトビール天国。現在ポートランドの町だけで61、郊外も含めれば91のブリュワリーが存在します。あちこちにパブを併設するマイクロ・ブリュワリーや、タッブビールだけを扱うビアバーなどがあり、地元客、観光客で賑わいます。とはいえ、ここにもワインの姿が。「デシューツ・ブリュワリー」の壁面には、ずらりとボトルが並びます。ポートランドは治安がよく、安心して町でお酒が飲めるのも嬉しいところ。

個性と愛あるワインづくり

オレゴン州でブドウ栽培が始まったのは1961年。ごく数人のパイオニアが始めたワインづくりは、いまでは605軒のワイナリー、約1万haのブドウ栽培面積を持つ産業にまで大きくなりました。

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ワイン産業が盛んになった理由として、ブルゴーニュと気候条件が似ていたということが挙げられます。オレゴンはブルゴーニュとほぼ同じ北緯45度に位置し、ブドウの生育期は温暖かつ夜間の温度は下がるため、冷涼品種を育てるのに適する土地。

品種としては、ピノ・ノワールが飛び抜けて多く、栽培面積でいうと2番目に多いピノ・グリの約5倍にあたる6000haにも及びます。

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オレゴンといえば、ピノ・ノワール。さまざまなクローンが使われており、なかでも「ポマール」と呼ばれるブルゴーニュのシャトー・ド・ポマールから持ち込まれたクローンの亜種は、最も栽培数の多いものです。

土壌はウィラケンジーと呼ばれる海洋性堆積土壌、ジョリーと呼ばれる火山性土壌などが代表的です。ブドウ栽培地域・AVAは現在18で、このうち最大なのがウィラメット・ヴァレーです。この地域は西を海岸山脈、東をカスケード山脈、北にもいくつかの山脈を従えているので、これらの山脈が厳しい雨風から地域を守り、年間を通して穏やかな気候を実現しています。

ワイナリーは高品質なワインの小規模生産を手がけるところが多いのが特徴で、個性と愛のあるクラフツマンシップにあふれたワインづくりをしています。また、サステイナビリティ(持続可能性)を追求するつくり手が多く、ブドウ栽培面積の38%がサステイナブル、オーガニック、バイオダイナミックの認証を受けています。

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農業が盛んなオレゴン州では、オーガニックやサステイナブルを意識した農家が多く、エコ・フレンドリーなおいしい野菜がたくさん。また、鮭はオレゴンの特産品のひとつ。写真は「ウィラケンジー・エステート」で供されたサーモン料理です。

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