「スウィートボルドー」甘い経験

レストラン「マクシヴァン」で開催されたペアリングランチにビックリ!

和テイストと合う!

右から、生産者組合のボードリー、佐藤を挟んでシガラのコンペイロ兄弟、ゴディエのサンフルシュ、クヴクールの小暮直子の各氏。

用意されたワインは全部で9種類。佐藤ソムリエは、アペリティフとして「シャトー・ルーピヤック・ゴディエ(CHATEAU LOUPIAC GAUDIET) 2015」と「リュトナン・ドゥ・シガラ1級 (LIEUTENANT DE SIGALAS 1er cru classe)2015」の2種類を用意。「それだけを味わってもらう。日本語では『甘口』だけれど、実際はけっして甘くない。後味は心地よい」とソムリエは言った。

ああ、甘露、甘露。前者のシャトー・ルーピヤック・ゴディエはハチミツのように甘い。でも余韻がサッパリしている。90%がセミヨン、10%がソーヴィニヨン・ブランである。

「フルーティで酸味を残すようにしている。6代にわたってつくっているけれど、方針は変わらない。飲みやすいこと。どんな料理にも合わせられることを意識している」と、来日したゴディエのニコラ・サンフルシュさんは語った。

リュトナン・ドゥ・シガラ1級の方は、もうちょっと複雑さがあって、苦味みたいなのも感じる。83%がセミヨン、17%がソーヴィニヨンと、数字が細かい。つくり手のジャン・コンペイロさんも出席していて、彼はこんなことを語った。

「私には86歳になる祖父が今して、毎日ワインを1〜1.5本飲んでいる。アルコール中毒とも言われていますが、15歳からその量を守っている。みなさんも、健康のためにその量を守ってください。

1863年、私のファミリーは60haのブドウ畑を持っていたのですが、いろんなことがあって14haになった。シャトー・ディケムの近くで、シロン川が近くを流れている。菌がついた午後には日照が良くなり風も吹く。甘口で重くないワインをつくるのはむずかしい。グラスから15分ぐらいでなくなるのを理想にしている。話していて、いつのまにか飲んでしまえるのがいい。1級を家族でやっているところは少なっている。家族の生き方を見てもらうことが重要だと思っています」

そんな話を聞きながら、ちびり、ああ、甘露、ちびり、ああ、甘露とやっていたら、グラス2杯の甘露はいつのまにかなくなっていた。

「柿・大根・海老・青大豆の胡麻和え 蝦夷鮑の味噌漬け 銀杏 むかご 石川芋」

1皿目は、「秋の盛り合わせ」という料理名通り、秋の味覚がお皿に並んでいて、目を喜ばせる。くりぬいた柿の中にえび、青大豆の胡麻和えなどが入っている。柿はゆずでマリネしてあるそうで、じつに繊細な仕事がなされている。

これに「シャトー・ラ・ラム(CHATEAU LA RAME) 2014」 と、「シャトー・レ・トゥーレル(CHATEAU LES TOURELLES) 2010」の2種がペアリングされている。

前者のAOCはサント・クロワ・デュ・モンで、品種はセミヨン100%。後者はキャディヤックで、セミヨン90%、ソーヴィニヨン・ブラン10%。どちらも甘くて美味しい。ああ、甘露、甘露。こればっかし。

微妙に味が異なるけれど、その微妙さ加減を言葉にするのはむずかしい。「シャトー・ラ・ラム」は土壌に牡蠣の化石が入っているという特徴がある。ということはミネラルが強いとか、そういうことでしょうか。後者の「レ・トゥーレル」の方が酸味が強いかも……ということは思ったが、いずれせよ、和食のようなこのお皿にピッタンコ。

写真には7本しかないけれど、テイスティングランチには9本が用意された。

佐藤ソムリエによれば、貴腐ワインのうまみが和食のうまみと合うのだという。

2皿目は、「蕪・ゆば・菊芋 黒七味」。「なめらかさ」がテーマのこのお皿には、「シャトー・ドーフィネ・ロンディヨン(CHATEAU DAUPHINE-RONDILLON) 2011」と「シャトー・ドーフィネ・ロンディヨン・キュヴェ・ドール(CHATEAU DAUPHINE-RONDILLON CUVEE D’OR) 2009」がペアリングされていた。あまりの美味しさに、料理の写真を撮るのをつい忘れました。芋のなかにスパイシーなものが入っていて、それがワインの甘みを引き立てていた。

シャトー・ドーフィネ・ロンディヨンは1794年設立という歴史を誇り、ルピアック村で最高の場所に位置するという。2011年はここ15年でもっとも優れた年のひとつで、繊細さと力強さが拮抗しているのが特徴だそうである。11年はセミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%、それにミュスカデルがアッサンブラージュされている。

後者のキュヴェ・ドールは同じシャトーの最高級の遅摘みワインで、ワイナリーのなかでもっとも古い木から収穫した果実でつくられる。アッサンブラージュはセミヨン80%、ソーヴィニヨン・ブラン20%。

どちらもたいへん美味しい。甘露甘露。その繊細な違いを表現することはむずかしいことはおろか、記者にはその味の違いがよくわからなかったのであります。前者はちょっと変わった香りがしたような気がするけれど、……定かではない。

「11年はフレッシュで綺麗な酸がある。09年は貴腐ブドウの当たり年。スパイシーである。醸造も熟成も樽で行なっている」というような説明が、佐藤ソムリエからだったか、スウィートボルドーの人だったか、この頃になるとほろ酔いでたいへん気分がよくなっておりまして、どちらがうまいとか、いうようなものではないように思えた。

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