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来日した“ブルゴーニュの新星” オリヴィエ・バーンスタイン独占インタビュー

ベリー・ブラザーズ&ラッドのテイスティング・ランチにて

妥協なし

2つ目の質問は、「どうやって成功をつかんだのですか?」。彼はちょっと困惑しているようだった。「世界中で、かくもたくさんのチャレンジャーがいるというのに」と付け加えてみた。

「たぶん、われわれがいい仕事をしているからです。たぶん。よく働いているから。わかりません。わかりませんよ、正直。ジャーナリストがテイスティングして、高い点をつけてくれた。それだけです。われわれは最初から、プロセスにおいて、妥協なしでやってきました」

ワインづくりにおける妥協とはどういうことですか?

「OK。ワインとは30カ月、つまり2年と半年のプロセスです。12カ月は、ブドウ畑での農作業。1カ月は醸造。それから、14、16、18カ月、樽の中での熟成です。30カ月で、1000の小さな決断があります。つまり、毎日、2、3は決めないといけないことがある。どのグロワーも、それを横に置いておくか、目を瞑る。たとえば、ブドウ畑の様子を見に行って、雨が降ったり、風が強かったりしたら、下される決断は変わってきます。正しい決断をする場合もあれば、間違った決断をしてしまうときもある。

すばらしく手入れされた畑。オリヴィエ・バーンスタインはネゴシアンながら、畑に入って作業もする。

『妥協なしで』といいましたけれど、ともかくクオリティを第一にしています。たいていの人は、畑のオウナーだから、ワインを売りたい。私はオウナーではないから、それはそれほど重要なことではない。私はたくさん支払いをして、価値を加えている。私のワインは、2倍以上、時には平均的なワインよりも3倍高い」

そんなに投資しても、成功の保証はない。という質問が参加者から出た。大きなギャンブルです。売らないで飲むんだったらいいけど。とジョークも付け加えて。

「1ヘクタールあたり45リッター分払ったのに、30リッターしか収穫がなかったら問題です。でも、私はあえてリスクをとります。いまや、銀行が私を信頼してついて来ているほどです」

たとえば、雨が降ったら、どんなことをするのでしょうか。傘はささないでしょ?

「ノー・アンブレラです。雨が降ったとして、雨はOKです。雨は必要ですから。問題は、雨の量が多すぎる場合です。ブドウが病気になりますから。偉大なワインをつくるには健康的なブドウが必要です。グレートなワインにはグレートなブドウが必要です。ベリー、ベリー、ベリー・インポータントです。大事なことは、ブドウを観察することです。1週間に3回、ブドウ畑をまわります。医者のように、触って、集中して、観察する。そして、即座に行動する」

しつこいようですけど、雨が降って傘をささないとすると、病気になりかけたブドウにどんなことができるのですか?

「たとえば、ブドウをセパレートして、お互いにくっつかないようにする。そうすれば、風が乾かしてくれる。それにはたくさんの労働力がいります」

美しい景色は医師のような観察によってつくられている。

現在、ブルゴーニュワインは世界中で需要が増えていて高騰している。そして、かつての日本のバブルのように土地が値上がりしている。それはもうクレイジーな状況で、2012年にバーンスタインが購入したシャンボール=ミュジニィとジュヴレ・シャンベルタン最北部の土地を、5年前に買った価格の12倍で売らないかという申し出を受けているという。

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