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30年前にオーガニック農法を始めた「ボンテッラ・ヴィンヤーズ」

カリフォルニアのサステイナブルなワイナリー訪問その7 ルドルフ・シュタイナーの教えを守る

メンドシーノはカリフォルニアにおけるオーガニック農法のメッカ。ボンテッラを創設したフェッツァー家はそのパイオニアだ。
近年はさらにバイオダイナミックを推進。アイコン的なワインも登場した。

8の字の水の流れ

ボンテッラ・ヴィンヤーズがオーガニック栽培を始めて、今年でちょうど30年になるという。

80年代といえば、人々がオーガニックに対し微塵も関心を寄せなかった時代だ。今日、彼らはそれをさらに推し進め、バイオダイナミック農法を実践している。

8の字を描きながら水が流れる泉。この泉の水で調合剤を希釈する。水は記憶をもち、8の字の流れが調合剤を活性化するという。

バイオダイナミックとは、オーストリアの人智学者ルドルフ・シュタイナーの思想にもとづいた栽培法。

殺虫剤や除草剤、化学肥料の使用はもちろんご法度。植物の成長は月や惑星の位置関係に依存するとして、葉の日、花の日、実の日、根の日と4つに区切られたカレンダーにならって農作業を行う。

また牛の角に詰めたうえ、土の中で寝かせた牛糞や、砕いて牛の角に詰めた水晶、鹿の膀胱に詰めて軒先で干したノコギリ草、牛の小腸に詰めたカモミールなど、自然界の物質から作られた調合材を用いるのも特徴。

生物や宇宙の力を利用し、土地や植物そのものを活性化させるという。

バイオダイナミック栽培の調合剤に用いる牛の角。ボンテッラでは一部の調合剤を自家製造している。

ボンテッラでは、これら調合材に必要な植物を育てるためのバイオダイナミック農園を作り、牛糞や水晶の調合材は自家生産。現在、ブルー・ヘロン、マクナブ・ランチ、バトラー・ランチの3つのブドウ畑、合わせて110ヘクタールにおいて、バイオダイナミック農法の管理団体であるデメターの認証を取得している。

オーガニックのシャルドネの畑。チェリーやプラムの木を周囲に植え、益虫を呼び寄せるという。

今回、バイオダイナミックの畑から生み出されたふたつのスペシャルキュヴェ、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体とするボルドーブレンドの「ザ・マクナブ」と、シラー主体のローヌブレンド「ザ・バトラー」を試す機会に恵まれた。
 

前者は集中力があり、骨格もしっかり。100パーセント、フレンチオークによる24カ月の熟成が香ばしいアクセントになっている。

後者はエレガントでしなやかなテクスチャー。緻密な構造のタンニンがボディを引き締める。これがバイオダイナミックの効果か否かは不明だが、素直に上質のワインだと感じた。

 

ワインメーカーのセバスチャン・ドノソはチリ出身。

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