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ペサック・レオニャンのベスト11シャトー巡り(後編)

通好みのボルドー内の人気産地に行ってみませんか

10. Château Haut-Lagrange

シャトー・オー・ラグランジュ

森を切り開いて開墾
ゼロからのスタート

ボルドーでワインを造りたいなら、すでに存在する畑やシャトーを買収するのが王道。だから1989年に森を開墾して石と砂混じりの畑を確保し、新シャトーを建立したオー・ラグランジュのパターンは珍しい。

生産部門を仕切る2代目、ギラン・ブトゥミさんにシャトー新設のきっかけを尋ねたところ、同じくペサック・レオニャンに位置するラリヴェ・オー・ブリオン、オー・バイィの2シャトーと縁戚関係があり、父フランシスが「ワインを造るなら、やはりぺサック・レオニャン」とこの地を確保したとか。

近隣シャトーに所縁はあれど、先立つものは出資者頼り。土地代の安い森を購入し20ヘクタールまで広げた畑も、2005年には出資者が多額の配当金の返却を突然求めたため、ほぼ半分を隣のラリヴェ・オー・ブリオンへ売却する事態に。

それでも直売と輸出で運営を軌道にのせ、過去ヴィンテージは完売を重ねている。

醸造タンクをセメントにしたのは、「ペトリュスを真似して(笑)。いや、建造費が割安なのと、タンク上も作業に使える利点のためです」とギランさん。赤は長期熟成タイプを目指し、白はセミヨンとソーヴィニヨン・ブランを50%ずつのセパージュを守るのが特徴。

月~金 9:00ー12:00, 13:00ー17:00  訪問のみは予約不要。ツアー見学や試飲、また週末・祝日の訪問希望時は要予約。
89 Avenue de la Brède, 33850 Léognan
www.hautlagrange.com

11. Château Couhins

シャトー・クーアン

月~金 8:30-12:30, 14:00-1700 訪問希望者は要事前予約。
Chemin de la Gravette, BP81 33883 Villenave d’Ornon
http://chateau-couhins.fr/

研究成果をすぐさま反映
ラボ・テイストな国営シャトー

その昔はシャトー・カルボニューと同一であったクーアン。所有者の変遷によってカルボニューと分かれ、1979年までアンドレ・リュルトン運営によるシャトー・クーアン・リュルトンと名乗っていた。体裁が変わったのは1981年、シャトーのオーナーがフランス国立農学研究所に。つまり国立のシャトーとなったのだ。

ならワインメーカーは公務員かと思いきや、シャトー運営については一定予算内でやりくりされるのだとか。ワイン造りを統括するドミニク・フォルジェさんは、「結果を出すから雇用契約が続く」と、安定雇用ではないシビアさに苦笑い。ボルドー大学と提携し実験が進められるのは、研究所管轄の畑でのみ。そちらではブドウの木1本1本に対してケアをする精密農業の研究、農薬を使わず育つブドウ品種の開発も進行。

ただし、研究成果を真っ先に応用できるのは、やはりシャトー・クーアンなのだ。

国営でも運営はほかのシャトーと変わらず、訪問可能でテイスティングルームもあり。一部の畑ではビオディナミに挑戦中とか。なお日本の筑波大学とボルドー大学が共同研究で連携を深めてきた関係で、筑波大学オリジナル版もリリース(カクヤスのネット店で購入可)。

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