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ボルドーワインのネゴシアンにしてシャトーを運営するドゥルト

ボルドーワインのショーケース

4月の末のことなのでだいぶ前になってしまうのだけれど、WINE-WHAT!?は、ドゥルト社のトップ、パトリック・ジェスタン氏を交えての「ヌメロ・アン」誕生30周年ランチという記念イベントに参加させてもらった。

てっきり、ヌメロ・アンの話が中核になるのだろうとおもっていた筆者。ところが、ヌメロ・アンについては、わりとさらりと序盤で話がおわってしまう。これは、銀座のハイアットセントリック銀座内のレストラン「NAMIKI667」の特別なランチコースとともに、ヌメロ・アンをふくめて、ドゥルト社の9種類ものボルドーワインが飲めてしまうという、昼間からそんな贅沢していていいのだろうか、と冷静にみずからを省みる暇もないほどに、贅沢なイベントだったのだ。

dourthe numero 1 blanc

ヌメロ・アン ブラン 2017

自らナンバーワンと名乗って30年
ボルドーの白ワイン「ヌメロ・アン」とは

ことのおおざっぱな成り行きはこの前段の文章で書いたとおりなのだけれど、とはいえ話は、ヌメロ・アンからはじめたい。「ヌメロ・アン」は、訳せばナンバーワン。イチバン。この名前、30年前に、ボルドーワインのベンチマークとしてレストラン市場でイチバンになるべく、ドゥルト社のあたらしい白ワインに与えられた。

高い志を現実のものとするために、開発にあたっては、ボルドー大学のドゥニ・デュブルデュー教授が参加した。教授は2016年にこの世を去ったけれど、白ワインの神様のような人物で、デュブルデュー教授の数々の研究なくして、現在の高品質なボルドーの白ワインはない。いやいやその功績はボルドーだけにとどまらない。ボルドー最高のコンサルタントのひとりとして、世界的に活躍し、日本では、甲州ワインの進歩にも貢献している。「香りがない」とされて、高い評価を受けづらかった甲州ワインに、柑橘の香りをもたらした甲州ワイン界の革命児であるシャトー・メルシャンの「甲州きいろ香」の誕生を導いた、富永敬俊博士の指導者でもある。ちなみにデュブルデュー教授はイギリスのワイン雑誌「デキャンター」が選ぶ、2016年のマン・オブ・ザ・イヤー

「ヌメロ・アン ブラン」は、当時はまだ、その名前ではなかったけれど、完成後、ボルドーを代表する著名なレストランのオーナーを一堂に集めたブラインドテイスティングにてナンバーワンに選ばれ、はれて「ヌメロ・アン」として、1988年にデビューした。ここから数えて、今年で30年。ソーヴィニヨン・ブラン100%。柑橘系のアロマをもつ、さわやかな白ワインだけれど、口にふくめばまろやかで、すこしハチミツのような甘みも感じられる。

1993年には、1990年ヴィンテージをもって、ヌメロ・アンの赤ワイン、「ヌメロ・アン ルージュ」が誕生した。こちらは醸造コンサルタントを代表する醸造コンサルタント、かのミッシェル・ロラン氏との共同開発だ。重厚すぎず、バランスがいい赤ワイン。メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルドのブレンドで、12ヶ月フレンチオークの新樽熟成。食事の際に、特にこれという産地や銘柄はおもいつかないけれど、「赤ワインが飲みたい」などというときには、これを選んでおけば間違いなさそうだ。

dourthe numero 1 rouge

ヌメロ・アン ルージュ 2015

赤白、どちらのヌメロ・アンも、狙い過たず、などといったらエラそうだけれど、ベンチマークという表現がぴったりだとおもえた。

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