スペインのワイナリー「ライマット」 × 「鮨屋 小野」名勝負数え歌

数あるスペイン産ワインのなかで、なぜライマットなのか?

第4試合 ティント(赤)

RAIMAT
Vol d’Ànimade de Raimat Tinto

ライマット
アニマ ティント 赤
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、テンプラニーリョ、シラー

ひとこと by 菊池ソムリエ 
フレッシュさと複雑味、ブドウの生命力が感じられる赤。香りには黒いベリー、ざくろ、カカオっぽさがあります。タンニンは中程度ですがイガイガした感じはなく、コクと果実味とでバランスよい仕上がりに。

小野 赤ワインになると、ようやく力強いネタへ。かつおのたたきは、すりおろした玉ねぎを使った醤油風味です。

菊池 にんにく醤油やしょうが醤油はよく聞きますが、玉ねぎとは。

かつおのたたき 玉ねぎソース
「鉄分の多いカツオを玉ねぎの甘味でコーティング。血に似た臭いはさらにワインで抑えられ、燻し香とワインの風味が余韻に残ります」

小野 かつおを藁で炙った風味は、にんにくやしょうがと合わせてもパッとしない。玉ねぎなら、炙った香りとぶつかりません。また、味を濃くすることで、しっかりとしておいしい赤ワインと勝負できます。

菊池 赤のカベルネのベジタルっぽさと、玉ねぎの相性がいい。かつ、かつおの血っぽい風味が、シラーのスパイス感と合います。そして、テンプラニーリョの複雑味が、最後の余韻で膨らんでいくんです。玉ねぎとかつおを組み合わせた、小野さんのテクニックが光ります。

小野 赤身のネタは、だいたい赤ワインを邪魔しないんです。まぐろのづけもそう。次に、醤油ですっきりさせた赤身をどうぞ。

まぐろ赤身のづけ
「赤身の鉄っぽさが醤油でマイルドになり、ワインの深みと果実味に合わせやすくなりました。ワインの少しスパイシーな部分もフィット」

菊池 赤身のづけこそ、鮨屋さんに赤ワインを置くべき理由! あまり酸の強い赤を合わせるのは勧めませんが、日照量の多いスペインの赤ワインなら合うんですよ。

小野 最後は小野スペシャルを。炭火で炙った大トロと刻んだペコロスを、海苔でお巻きしています。うちでは〆に必ずお出しします。

小野スペシャル ~炙り大トロの手巻き~
「トロが上質な牛肉のよう。複雑な味わいで、赤ワインのすべてを受け止めつつ、ワインのカカオっぽさを甘味に変えるほどの力があります」

菊池 ソムリエ泣かせなんですよ、これ。炙った肉っぽいトロのところに、ペコロスの酸やしっかりと巻かれた海苔のヨード感があって。このひと品で、世界が出来上がってしまっている。

小野 ねぎとろと言えばいいんですけど、イメージとしては炭火焼ステーキに玉ねぎを添えている感じでしょうか。

菊池 でも「アニマ ティント」なら、重さがちょうどいいんです。さらにワインをお代わりしたくなりました(笑)。

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