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ラングドックのAOCワインとシュッド・ド・フランスのIGPワイン

ラングドックワイン委員会が11月5日に明治記念館で開かれた業界向けセミナーより

日本を代表する食とワインの評論家の田中克幸さん。

ラングドックワインはイタリアのボルドー品種である

最後に、毎年ラングドックに通っているという、食とワインの評論家の田中克幸さんが「ラングドックワイン」について語った。田中さんのお話のすべてが理解できたわけではないけれど、ラングドックワインのテイスティング直後だっただけに、ストンと腑に落ちた。

理解の基本は赤ワインである、と田中さんは言う。ラングドックでつくられている赤ワイン用のブドウ品種は、シラー、グルナッシュ、もしくはムールヴェードルである。この3つの意味は何か。

3品種をブレンドする代表的な産地は、ラングドック、ボルドー、シャンパーニュである。シャンパーニュは、シャンパーニュなので別として、ラングドックはじつはボルドーに似ている。ボルドーとラングドックは地理上、一直線でつながっている。大西洋側にあるのがボルドー、地中海側にあるのがラングドックである。あいだにトゥールーズがあって、ボルドーとトゥールーズには当然共通性があるという。そして、「ラングドックワインはイタリアのボルドー品種を想像するのが一番正しい」と、南仏とローマを同じ地中海世界として同一視するのだ。なるほどな〜。

ボルドーの3品種は、メルロ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンで、この3つの役割は、メルロが下半身、カベルネ・フランが香り、カベルネ・ソーヴィニヨンが芯になっている。ラングドックでは、グルナッシュがメルロの役割を果たしている。料理に合わせるワインの選び方のコツとしてこの3つを考えておけばよい。

「3つの基本品種の意味を理解する。そして、土壌が石と岩のところか土のところかをチェックする。これを生かせば、確実にラングドックはおいしい」

シメのことばも印象的だった。

「ラングドックはテロワールがいい。伊達にギリシャ人、ローマ人がここに来たわけじゃない。フランスの北の人はワインを飲んでいなかった。ブルゴーニュのワインは宗教的だった。南のワインは生活とともにある。だからストレス感がない。自分の分相当をわきまえている味で、フツーの暮らしのなかに当てはまる。これが大事。トリュフじゃない。味噌汁。高級な味噌汁もあって、それがラングドックのクリュ。でも、自分のノリを超えないバランス感覚がある。このことに気づくと北のワインはウザい」

ローマ人にまでさかのぼる地中海のワイン、ラングドックはボルドーとも一直線でつながっているけれど、トスカーナとも地続きなのだ。

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