6
TAICHIRO MORINAGA
ハイクラウン ルビーチョコレート
いけるね! テタンジェ
小野 これは発酵前のカカオが持ってるフルーティな風味を引き出したチョコ。下にはビターチョコを薄く敷いてあります。ストロベリーやラズベリーの風味がするはずです。
柳 ほんとにベリー系の香りだ!
瀬川 モン・ペラのロゼ(4)は、イチゴのフレーバーがするので合いますよね。ビターチョコもカベルネのタンニンと同調しますし。
小野 シャンパーニュにも合うと言われてるんですよ。
柳 いけるね! テタンジェ・ノクターン(2)は黒ブドウの比率が6割。ロゼでなくとも赤い果実のニュアンスを残してるし、4年の瓶内熟成で香ばしい風味も感じられるから、このルビーチョコにしっくりくるんだと思う。いくらシャンパーニュでも、すっきり系のブラン・ド・ブランだと、こうはうまくいかないんじゃないかな?
小野 トルブレックのシラーズ(6)も、豊かな果実味とビターさでうまくマッチします。
7
Minimal
SAVORY
シュワシュワのシャンパーニュと
小野 このチョコはハーブのフレーバーが比較的感じられると思うんですよ。
瀬川 エラスリスのレイト・ハーヴェスト(1)なら、ソーヴィニヨン・ブランの清涼感溢れるハーブ香で合わせられるかなと思いましたが。
柳 これもシャリシャリしてますね。
小野 カカオ豆自体が粗いんですね。このチョコはミントっぽい香りがしません?
瀬川 ほんとに余韻がハーブ。かすかにユーカリっぽい涼しげなミント香をもつトルブレックのシラーズ(6)も合いますね。
小野 シャンパーニュ(2)もいいですね。
瀬川 このカカオのシャリシャリした食感が、またシュワシュワしたシャンパーニュの気泡とテクスチャー的に合いますし、ビターチョコの香ばしさも、テタンジェ・ノクターンのトースティな香ばしさと同調してます。
柳 エラスリスも無難に合うけど、そこに感動はないかな。発見はない。
8
ダンディライオンチョコレート
ワンプゥ、ホンジュラス70%
ビターさにシラーズ
小野 このチョコはスタンダードですけど味が濃いんです。ビターさが強いですね。
柳 わっ、色が濃い! しかもスモーキー。
瀬川 もう、これはザ・ビターチョコなので、トルブレックのシラーズ(6)でしょう。
柳 ぴったりですね。チョコのビターさにも、ナッティさにもシンクロしてる。
瀬川 これだけナッツっぽさのあるチョコだと、ブレッド&バターのシャルドネ(3)はどうかしら?
小野 おや? 最初は違和感あったのに……。
瀬川 中盤から余韻にかけてまとまってきますね。
柳 ほんとに。最初はチョコレートのビターさと反発して「あれ?」と思うのに、次第にナッティさやバニラの風味が両者を結びつけてくれます。
小野 シャンパーニュ(2)の酵母の香ばしさともいい感じですね。少し酸が浮く感じもしますけど、及第点です。
9
Fu Wan Chocolate 福湾荘園
櫻花蝦(桜エビのチョコレート)
意外や、ワインといけます
柳 桜エビの風味をつけただけかと思ったら、乾燥した桜エビがそのまま入ってる(笑)。
小野 だからエビの風味が強烈です。
柳 アーモンドも入っていて、クランチーな食感ですね。
瀬川 これだけ個性的で主張の強いチョコなので、コスのオレンジ(5)が合うと思いました。ワインのタンニンにもぜんぜん負けませんし、シチリアのワインなのでミネラル感もあり、シーフードとの相性がもともとよいですから。色調も意識して。
小野 エビの香ばしさと酵母の香ばしさでシャンパーニュ(2)も合いますよ。ミネラル感も双方にありますし。
柳 テタンジェは美味しいね。ブレッド&バターのシャルドネ(3)もナッツの香ばしさと甲殻類の強い風味にはまずまず。
瀬川 意外や、ワインといけますね。
柳 うわっ、シラー(6)は……。
小野 エビ臭くなってダメ!(笑)。
10
パンプストリートチョコレート
サワードゥ&シーソルト
ミネラリーなチョコだから
小野 これはイギリスのベーカリーが作っているチョコレートで、パンの香ばしさが前面に出ています。
瀬川 ネーミングの語呂合わせもあってブレッド&バターのシャルドネ(3)が合いそうですよね。それからこのチョコ、意外とミネラリーですよね。
小野 そう、塩が入ってますからね。
柳 あっ、ブレッド&バターすごいよ。ミネラル感のほとんどないコテコテなシャルドネが、このミネラリーなチョコと組み合わせることでムルソーになる(笑)。
瀬川 ほんとに! 面白い発見。いわゆる補完的なマリアージュですね。
小野 パンと塩のシャリシャリ感もあるし、香ばしさとミネラル感があるので、当然、テタンジェ(2)ともばっちり。
瀬川 うん、シャンパーニュの香ばしさがさらに際立ってきますね。
柳 エラスリス(1)も合います。