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Aussie Way~豪に入れば豪に従う~

マクラーレン・ヴェールってどんなところ?

南オーストラリア州の州都アデレードの南、小規模なワイナリーが集うマクラーレン・ヴェールは英国系移民が開いたワイン産地。その美食とワインをKisa Motoさんがご案内。

マクラーレン・ヴェール

お恥ずかしい話、ワインを飲み始めた頃はマクラーレン・ヴェールがどこにあるのかさえ知らなかった。どのワインを飲んでも外れなく美味しいマクラーレン・ヴェールという産地にワインビギナーのころからずっと興味を持っていた。様々なオーストラリアワインを知った今でも、南オーストラリア州の複数あるワイン産地の中で個人的に最も好きな産地と言える。では、マクラーレン・ヴェールとは、どういう産地なのだろう?

ジャスティン・マクナミー氏を訪ねて

マクラーレンヴェールに「Samuel’s Gorge」というワイナリーを営む友人ジャスティン・マクナミーを訪ねた。

到着するとすぐ、ジャスティンの愛犬が出迎えてくれた。丘の上に建つワイナリーの窓から見下ろすと、なだらかな傾斜に沿ってどこまでも続くヴィンヤードの眺望が美しい。

ジャスティンとの再会。久しぶりとは思えない気さくな笑顔で迎えてくれた。

朝10時。着いて早々に、8種類のワインをティスティングさせてくれた。「朝ごはんの変わりにワイン」少しクレイジーに聞こえるが、なかなか心地良い。

やはり、どれを飲んでも果実味がしっかりしていて美味しい。目の前に広がる景色や澄んだ空気の相乗効果もあり、ワインの味わいが本当に心地よく、さらに美味しく感じる。

ジャスティン自慢の岩コレクションを見せてくれた。何千万年も前からの地層を持つこの産地。下層に鉄分を多く含む砂質土壌、上層には白い砂や砂岩がみられる。

温暖で乾燥した地中海性気候と鉄分を含む水はけの良い土壌に恵まれていることから、フランス ローヌ品種が多く栽培されている。ジャスティンも、この地の歴史を守るためグルナッシュやシラーズに力を入れている。グルナッシュにおいては、樹齢90年近いものも。

ワインを口に含むと、軽いタッチで流れ込み香りがふわ~とではなく、じゅわ~と広がる。溢れんばかりの香りの豊かさと果実味が口の中に広がり、テクスチャーやボディが後追って感じられる。素晴らしいワインだ。樹齢の長さや醸造法が、ワインの味に奥深さを与えている。

ヴィンヤード

ジャスティンが、ヴィンヤードへ連れ出してくれた。オーストラリアらしいしっかりとした強い日差しの中、ヴィンヤードの葉に手をあててみると冷やっと冷たいことに驚いた。

なだらかな斜面のブドウ畑の先には、青空と海が広がる。忘れられない絶景。

嬉しそうに笑うジャスティン。これこそが、マクラーレン・ヴェールの特徴だそうだ。冷たい海からの爽やかな風が、強い日差しをクールダウンするかのように、ヴィンヤードに吹き抜ける。この温度差が、ブドウ栽培により良い影響を与えている。自然の壮大なエネルギーを肌で感じた瞬間だった。

幸せなひと時

外の空気を感じると、急にお腹が空いてきた私たちは、マクラーレン・ヴェールのワイナリーが集まるエリア、ど真ん中にあるレストランへ向かった。外観からお洒落な佇まいの「SALOPIAN INN」

地元の食材で作るお料理は、独創的で美味しいと評判のレストランである。店内の雰囲気も、サーヴィスも、お料理の味もワインも何もかもが素晴らしく、また来たいと強く思うレストランだった。

頂いた中で、印象的だったのは、カンガルーの尻尾のお肉を醤油と出汁で蒸し煮
したお料理や野ウサギのお肉を使ったパイ。どんな味がするのかと戸惑っていたのも束の間、カンガルーやウサギってこんなに美味しいの?!と目を丸くしてしまった。南オーストラリア州究極のグルメ旅
をするならば、「マクラーレン・ヴェール」だ! と確信した。首都アデレードからは、車で40分ほど。ワインワットを読む、グルメなワイン愛好家の皆様にはぜひ、一度訪れて頂きたいワイン産地だ。

地元の食材に、アジアンなティストが加わったお料理とおしゃれな店内。明日また行きたいと思うほど虜になっちゃった。

この記事を書いた人

Kisa Moto
Kisa Moto
2015年にオーストラリアへ移住。WSET WineEducationにてワインを学び、現地でソムリエを経験。WINE LISTのオーストラリア現地スタッフとしての他、ワインコンサルタントとしても活躍。毎月パース市内にて、ワイン教室を開催。
Facebook: Kisaki Moto instagram: kisakimoto

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