小樽発酵の5アイテム
柳 では、最後の小樽醗酵グループの5本です。小樽醗酵はだいたい醗酵期間が短く、新樽はあまり使われない傾向にあります。樽のニュアンスをどこまで出すかはメゾンによりるわけです。まず「ブルーノ・パイヤール」(26)はまったく媚びがありませんね。
紫貴 「媚びがない」とは?
柳 ことさらに酸化熟成感ばかりを前面に出さない上手な造り、ということ。火を通して香ばしくした甲殻類が欲しくなります。たとえば、ぼたん海老の頭のみそが詰まった部分を火鉢で焼いて……。
紫貴 あの、柳さん? 鬼殻焼が出てくるパーティって特殊過ぎません?? 個人的にも、懐に優しくて素晴らしいシャンパーニュだとは感じていますが。
柳 「フィリポナ」(27)もまた媚びがなくて、ほどよく発展した香りの出し方が素晴らしい。
紫貴 熟成感を存分に堪能したいなら、「アルフレッド・グラシアン」(28)を選んでいただきましょう。
柳 そして「ボランジェ」(29)は、再び熟成感をぐぐぐっと抑えたスタイル。味の密度が違い、パンチもあります。同じ村にメゾンがある先ほどの「フィリポナ」と比べてみると楽しいかも。両者ピノ・ノワール主体だし、樽を使っているし。
紫貴 そして最後の「アンリ・ジロー」(30)は、やはりこの造り手ならではのこだわりがヒシヒシと感じられる造りでした。
柳 「プレスティージュが熟成するまで5年? そんなに待てない」という人は、こちらをどうぞ。
26 ブルーノパイヤール
エクストラブリュット・プルミエール・キュヴェ NV
27 フィリポナ
ロイヤル レゼルブ ブリュット NV
28 アルフレッドグラシアン
ブリュット NV
29 シャンパーニュ ボランジェ
スペシャル・キュヴェ NV
30 シャンパーニュ アンリ・ジロー
エスプリ ナチュール NV