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ムートン流哲学で新生したリムーの高級ワイン

WINE WHAT オクシタニーの旅 その2

オード県リムーの近隣サン・ポリュカルポスに位置し、47ヘクタールの畑を所有するドメーヌ・ド・バロナーク。1998年にロスチャイルド家のフィリピーヌ・ド・ロスシルド夫人と、ふたりの息子が所有権を取得して以来、ブドウ畑も生産設備も整備され、初ヴィンテージとなる2003年から、ロスシルド家所有シャトーと同様、高い品質を誇る生産者だ。

ドメーヌ・ド・バロナーク(Domaine de Baronarques)
11300 SAINT-POLYCARPE
Tel +33 468319466

www.domaine-de-baronarques.com/※日本語ページあり
見学受付は平日9:00 ~12:00、13:00 ~17:00(週末は事前相談)

ゆっくり、しかし確実に進化し続けるのが一流の証

カルカッソンヌから南へ25km。ここにシャトー・ムートン・ロスシルドのオーナーが情熱を傾けたバロナークがある。

1900年建設のメゾンは、ロスシルド家の宿泊場所。

高級ワインなのは当然として、使用品種はボルドー系のみならずシラーやマルベックなど南仏系もブレンド。ボルドーワインの真似でなく、地元のラングドックワインとも違う、バロナークという名の新しい飲み物が誕生したのだった。

ムートン・グループとしては新参者なれど、17世紀から存続していた畑がベースなので、ワイン生産の歴史は古い。フィリピーヌ・ド・ロスシルド夫人が1998年にバロナークの原型を入手し、さっそく行ったのが土壌分析だ。

区画ごとに適した品種を選定し、ほぼ全面的に植え替えが進められた。その地にあるものをただ使うのでなく、ポテンシャルをさらに高めるのがロスシルド家の哲学。当然「植えたらオシマイ」とならず、昨年に土壌を分析し直したので、また次なる植え替え作業に入るとか。

標高250m。霧は時折発生するが、風通りが良く湿気の留まらない優れた畑だ。

以前は一度樽に入れたらそのままだったワインが、今は澱引き時に別樽へ移し替え酸化を促すように。また大樽から小樽へサイズ変更し、熟成時の新樽使用率を2018年から高める、など樽ひとつをとって見ても年々細かくアレンジが施されてきた。すでにAOPリムーのトップに君臨しながらヴィンテージ毎に進化し続けるバロナークは、垂直試飲のしがいがあるワインだ。

毎年6万本以上は日本へ。フランス国内の流通量より多い。ショップでは15ユーロで試飲ができる。「ラングドックの地域特性はキッチリ残す」と語るメートル・ド・シェのファブリス・ブリエさん。

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